関空30年!奇跡を支えるグラハン!手荷物の紛失ゼロ!世界に誇る仕事に密着
TVOテレビ大阪
今年、開港30周年を迎える関西国際空港。実は、世界に誇るすごい記録を更新し続けています。ロストバゲージ・ゼロ。30年間、手荷物の紛失をしていません。この快挙に外国人観光客は… 「ロストバゲージ・ゼロ」「本当に? とても良い。」 海外ではありえない事だそうですが。 「日本では それが普通だと思う。なぜなら とても安全な国だから。」 というわけで関空のウラ側に潜入!ロストバゲージ・ゼロを陰で支えている、グランドハンドリング、通称グラハンのスタッフに密着します。どんな仕事なのでしょうか? 【スタッフ】 「手荷物の搬送や搭降載、給油・給電など、航空機を地上から支援する業務になります」 7人が作業を分担し、飛行機の到着から出発までをサポートします。その業務は誘導から特殊車両の運転など、様々な資格を必要としますが、最近は女性スタッフも増えたそうです。グラハン5年目という彼女の担当は? 【グラハン5年目 上地さん】 「今日は航空機の誘導のマーシャリングと貨物の搭降載のハイリフトローダーに乗ります」 グラハンの花形業務がマーシャリングです。機体の大きさによって停止位置を変えるのですが、今回は前輪を2番目の目印に止めなければなりません。 飛行機は予定より5分遅れで入ってきました。ここからが時間との勝負。上地さんは、パドルという道具でパイロットに指示を出します。スムーズに誘導ができないと他の作業に影響し、1時間20分後の定刻に、飛行機を出せなくなるかもしれません。 おーっと、ここでゆっくりの指示です。そして停止の合図。どうだ?? お見事!予定の位置にピタリと止めました。 停止したら、車輪をロックするスタッフをはじめ、7人がそれぞれの持ち場で様々な作業を進めます。 「マーシャリング担当の上地さん 次の持ち場は?」 「ハイリフトローダーという特殊車両でバゲージ(手荷物)コンテナをおろしていきす」 上地さんが乗り込むのは特殊車両・ハイリフトローダー。飛行機の横手に乗り付けて、貨物のおろし口に接続します。 「しっかり取りおろしの間違いがないか、確認しながらコンテナを移送させます」 荷物リストを頼りに、間違いがないかチェックです。およそ300個の手荷物が、トーイングトラクターで集配場へ運ばれます。 どんな現場なのか案内してもらいました。 飛行機の到着から、わずか15分。乗客が待つターンテーブルの裏側に荷物が到着し、スタッフがコンテナからおろしますが…。 「タグがついています。KIX(関空)どめか確認しながらおろしています」 乗り継ぎの荷物が紛れていないかなど、最終チェックをします。さらに… 「私たちが心がけているのはバゲージを丁寧に扱う。ダメージを与えないことです。取っ手を見てください。お客様が取りやすい向きに揃えて流しています。これがジャパニーズおもてなしスピリットです」 海外ではありえない、ひとつひとつの荷物を丁寧に扱う姿勢こそが、ロストバゲージ・ゼロにつながっていると言います。一方、荷おろし作業と同時に別の集配場では、同じ飛行機の出発準備が始まっていました。 「カバンに付いているバーコードを読み取り、荷物のデータを照合することで誤搭載によるロストバゲージを防ぐことができる」 カバンに付いているタグを…ピッと端末機で読み取りました。これをコンテナのバーコードで照合。間違いがあれば、知らせてくれる仕組みです。 飛行機の到着から40分。出発便の手荷物、約300個が積まれます。この荷物は本当に、この飛行機でいいのか?リストと照らし合わせ、ここでもチェックをしているんですね。 さあ乗客の搭乗が始まりました。荷物を積み終えた上地さんは、次なる持ち場へ移動します。 「このあと何でした?」 「出発前にトーイングカーをつないで、飛行機の出発の準備します。最後に翼端監視(ウィングウオッチ)」 飛行機を所定の位置まで押し運ぶトーイングカーをつなぎ、無事、定刻の出発ができました。さぞかし上地さんもホッとしているかと思ったら、飛行機が周りの障害物に当たらないか監視する仕事も担当。 大変なグラハンの仕事ですが、やりがいとは?。 「時間通りに飛行機を出すことも大事ですけど、見送りの時にお客さんのことが見えているので、手を振り返してくれたらやっててよかったなと思いますね」 乗客の笑顔がやりがいというグラハン女子・上地さん。そんな仕事ぶりが評価されました。先週発表された国際空港のランキング、手荷物取扱部門で8回目となる世界1位に輝いたのです。
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