センバツ2023 鳥取城北、2年ぶりに春(その1) 中国大会4強の実績評価 /鳥取
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が27日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールで開かれ、鳥取城北(鳥取市)の出場が決まった。選出は中止された2020年を含め2年ぶり4回目。昨秋の中国大会で4強入りした実績が評価された。21年の前回出場時はセンバツ初勝利を挙げており、今大会で春通算2勝目、さらには初の頂点を目指す。組み合わせ抽選会は3月10日。大会は3月18日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。【野原寛史、中尾卓英、望月靖祥】 ◇気合十分「歴史変える」 午後4時8分、選考委員会総会で鳥取城北の名が読み上げられると、校長室でウェブ中継を見ていた石浦外喜義(ときよし)校長は「ヨシッ!」と声を上げ、隣に座る大林仁監督と握手をして、選手たちが待つ講堂「ホールグランデ」に移動。「出場が決まりました。中国、四国地区の代表として恥じないようしっかりと精進してください。本当におめでとう」と伝えると、選手たちは互いにうなずき合って喜んだ。 石浦校長の話を受け、谷口洋一・野球部後援会長は選手たちに対し、「センバツでは日本一を実現できるように、後援会も支えていきます」と激励した。 甲子園に向け、河西華槻(はづき)主将(2年)は「鳥取城北はセンバツで一度しか勝てていないので、自分たちで歴史を変えたい。甲子園では粘り強く負けない野球をしたい」、エースの新庄空(そら)投手(2年)は「九回を投げきるために、体を大きくして握力も鍛えてきた」と早くも気合十分。2021年夏にコーチから監督に就任し、指揮官として初の甲子園に臨む大林監督は「甲子園に向けて、今までやってきたことの質を高めていきたい」と気持ちを引き締めていた。 鳥取県高野連の田辺洋範会長は「甲子園では練習の成果を存分に発揮し、高校生らしいはつらつとしたプレーで、子どもたちに夢と希望を与える快進撃を期待しています」とコメントを寄せた。 鳥取城北といえば「強力打線」のイメージが強いが、今年のチームはバントを多用する手堅い攻めが特色。打線は切れ目がなく、機動力も高い。守備はセンターラインを中心に安定しており、本格派右腕の新庄投手は140キロ前後の直球と鋭いフォークを武器に打たせて取る。昨秋は県大会を3年ぶりに制すると、続く中国大会では4強に進出。準決勝で強豪の広陵(広島)に惜敗したものの、大接戦を演じて総合力の高さを見せつけた。 ◇号外手に部員ら感慨 鳥取城北のセンバツ出場決定を報じる毎日新聞の号外が27日夕、校内で配られた。「鳥取城北に春切符」の見出しが躍る号外を手にした野球部マネジャーの足立裕美さん(1年)は「頑張った成果が認められたんだ」。共に鳥取県出身の石黒尚選手(1年)は「4番として一球で仕留める打撃」、前田拓来(ひらく)選手(2年)は「確実にアウトを取れる遊撃の堅実な守備」にそれぞれ磨きをかけると、甲子園での活躍を誓った。