山口県の路線価が3年連続上昇…最高は26年連続「下関駅東口駅前広場」、9年ぶりに上昇
広島国税局が1日に公表した2024年分の路線価(1月1日時点)で、山口県内の平均変動率は前年比でプラス0・6%となり、3年連続の上昇となった。中国5県の平均(プラス1・5%)には及ばなかったが、上昇幅は前年より0・2ポイント拡大した。専門家は「不動産を買いやすい低金利環境が維持され、需要は新型コロナ禍前を上回っている」と説明している。 【一覧表】山口県内の税務署別の最高路線価
路線価は主な道路(路線)に面した土地1平方メートル当たりの評価額。相続税や贈与税の算定基準となる。
今回の調査は3955地点で実施。前年と比較できる3864地点のうち、上昇が1291地点、横ばいが2124地点、下落が449地点だった。上昇は人気が高い下関市中心部、山口市のJR新山口駅や再開発が進む周南市のJR徳山駅周辺などを中心に前年より376地点増となった。
県内の最高路線価は、26年連続で「下関市竹崎町4 下関駅東口駅前広場」の1平方メートル当たり19万5000円。前年比2・6%増で、9年ぶりに上昇した。新山口駅南側の「山口市小郡黄金町 県道山口阿知須宇部線通り」は同14万5000円で2番目に高かった。
県内11税務署の管内別では、下関と徳山の最高路線価が上昇。岩国と長門が下落し、残る防府や萩など7税務署管内が横ばいだった。住宅地では、利便性の高い山陽地域と人口減少の進む山陰地域で二極化が顕著になっているという。
藤井正隆・不動産鑑定士は「駅周辺の再開発エリアでは、利便性の向上や発展への期待感から上昇基調が継続する一方、既存の商店街や歓楽街の商況が芳しくなく、発展と衰退の二極化も進行している」と分析。今後については「地価上昇のトレンドはしばらく続くが、金利の先高感や物価高が不動産購入意欲や行動にどのような影響を及ぼすかを注視したい」としている。