スズキが初のBEV世界戦略車「eビターラ」を発表! 2025年夏以降に日本でも発売
スズキは11月4日、スズキ初となるバッテリーEV(BEV)の量産モデル「e VITARA(eビターラ)」を、イタリア・ミラノで公開した。この新型EVは2025年春よりインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産を開始し、2025年夏頃から欧州、インド、日本など世界各国で順次販発売される予定だ。コンセプトは「Emotional Versatile Cruiser」。先進感と力強さを併せ持つデザイン、BEVらしいキビキビとしたシャープな走りを実現 【写真】スズキのBEV世界戦略車第一弾「eビターラ」の詳細画像 「eビターラ」は、2023年1月にインドで開催されたオートエクスポ、そして同年10月に日本で開催されたジャパンモビリティショーで公開されたコンセプトモデル「eVX」をベースとした量産モデル。スズキのBEV世界戦略車第一弾となる。 「Emotional Versatile Cruiser」をコンセプトに、先進感と力強さを併せ持つデザイン、BEVらしいキビキビとしたシャープな走りを実現する電動パワートレイン、悪路での走破性のみならずよりパワフルな走りを提供する電動4WD「ALLGRIP-e」、そしてBEV専用に新しく開発したプラットフォーム「HEARTECT-e」を採用したのが特徴だ。 発表に際してスズキの鈴木俊宏社長はこのように述べている。 「『e ビターラ』は、お客様にとって使いやすいBEVとするため、試行錯誤を重ねて開発した、スズキ初のBEVです。当社は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、BEV、ハイブリッド車、CNG車など、地域に合った様々な選択肢を提供してまいります。『eビターラ』の投入は、カーボンニュートラル実現のための非常に重要なマイルストーンとなります。今回の『eビターラ』を皮切りに、今後もさらにBEVのラインアップを拡充するとともに、それぞれの国や地域に適所適材なモビリティを提案してまいります」 ボディサイズは全長4275×全幅1800×全高1635mmで、ホイールベースは2700mm。デザインテーマは「High-Tech & Adventure」で、BEVの先進感とSUVの力強さを併せ持ち、冒険心を刺激する力強い佇まいがアピールポイントだ。エクステリアは大径タイヤとロングホイールベースを特長とした存在感のあるデザインが目を引く。 一方、インテリアには先進装備のインテグレーテッドディスプレイのほか、タフな印象のパネルやセンターコンソールを採用して、「High-Tech & Adventure」を体現している。 パワートレインは、モーターとインバーターを一体化した高効率のeAxle、安心・安全を追求したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用。BEVの特長である発進時のキビキビとした加速と、低速から高速までの追越し時のシャープな加速を実現している。モーターのスペックは1モーター仕様車が144ps/189Nm、174ps/189Nmの2種、2モーターの4WD車が総合で184ps/300Nmを発する1種を設定する。 4WD車には、前後に独立した2つのeAxleを配置した電動4WDモーターで駆動する「ALLGRIP-e」を採用。ALLGRIP-eは、スズキの強みである四輪駆動の技術を駆使し、前後に独立したふたつのeAxleを配置した電動4WD。パワフルな走りだけではなく、レスポンスに優れた緻密なコントロールも可能とした。また、片側のタイヤが浮くような路面でも空転したタイヤにブレーキをかけ、反対側のタイヤに駆動トルクを配分(LSD機能)することで悪路からスムーズに脱出できるTrailモードも備えている。 BEV専用に新しく開発したプラットフォーム「HEARTECT-e」は、軽量構造、高電圧保護、ショートオーバーハングによる広い室内空間が特徴だ。また、メインフロアはフロア下メンバーを廃止し、電池容量を最大化している。バッテリー容量は49kWhと61kWhの2種が設定された。
MotorFan編集部