進出加速、ヒルトンの京都戦略とは?…日本の代表に聞く
米ホテル大手のヒルトンが京都市内への進出を加速させている。ヒルトンの日本・韓国・ミクロネシア地区代表、ジョセフ・カイララ氏に京都戦略を聞いた。(向野晋)
ヒルトンは日本国内で7ブランド29軒を展開。京都市内では、ホテル所有者側が運営も行い、ヒルトンがサービスを提供する「フランチャイズ型」として、最高級ブランドの「ROKU KYOTO LXRホテルズ&リゾーツ」(2021年開業)がある。 所有者側がヒルトンに運営を委託する「オーナー型」は、「ヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸」(22年)、「ダブルツリーbyヒルトン京都東山」(23年)、「同ヒルトン京都駅」(24年)。京都初の旗艦ブランドとして9月に開業した「ヒルトン京都」(中京区)もオーナー型だ。
――ヒルトンにとって京都はどういう存在か。 1963年に東京に初進出して以来、日本を戦略的な市場と位置付けている。京都は歴史、文化、都市としての魅力と全てを兼ね備えており、世界でも著名だ。 幸運にも、京都で各種のヒルトンブランドを展開できたことは光栄だ。
――幸運というのは。 ROKUを例に挙げると、アジア初の最高級ブランドのホテルは京都で持ちたいと考えていたところに、たまたま(フランチャイズの)パートナーに巡り合えた。高級志向の顧客は、都会の喧騒を離れた隠れ家的な要素を好む。条件としてぴったりだった。
――結果的にROKUが京都初進出になったと。 そうだ。京都で各種ブランドを展開したいという考えはあったが、順番を付けていたわけではない。オーナーから提案を受けたり、こちらからアプローチしたりする中で、どのブランドが適切かを決めた。 (手軽な価格で宿泊できる)フォーカス・サービスのブランド、ヒルトン・ガーデン・インは京都が日本で初進出だ。京都に多様なブランドがそろったことで、幅広いオプションを提供できるようになった。 私どもの定評あるホスピタリティーでお迎えできるのを楽しみにしている。
9月開業ホテル「織物」がテーマ
9月中旬に開業したヒルトン京都(京都市中京区)のデザインテーマは「織物」。吹き抜けのロビーは巨大な織機をイメージした装飾を施し、エレベーターホールや客室には西陣織の生地やタペストリーを飾っている。 全313室。「スタンダードルーム」(40平方メートル)は1室約5万円から。茶道具などがある和室を備えた最上級の「キング京都スイート」(121平方メートル)は1室約18万円から。料金は時期によって変動がある。