Jリーグ入りへの近道は? 入団状況をデータで分析
Jリーグのチーム運営には、Jリーグに参加するチームそのもののみならず、育成組織(下部組織)によるクラブユースチームの運営義務が規定されている。高卒、ユース、大卒、海外経由などJリーグチームへの入団方法も多様化しつつある昨今。今回はその移り変わりを探ることで、Jリーグが規定するユース運営による選手育成の進捗をみてみたい。 まずは2015年シーズン現在のチーム構成比率を表1にまとめた。表中にある「自ユース」とは自チームユースから昇格した選手のことで、「他ユース」とは昇格はならなかったものの、他チームにプロとして入団できた選手のことを指しており、データから以下のことが分かる。
・J1、J2ともに「高卒」選手より自・他を合わせた「ユース出身」選手が多くなっている ・両リーグともに「大卒」>「ユース」>「高卒」の順で多くの選手を獲得している ・J2ではJ1と比較して「大卒」選手の数が1.5倍、「他ユース」選手が1.25倍多い このことからJリーグが目指すユース年代の強化という点ではある程度の結果が出ているといえそう。それと同時に、獲得する選手年代の割合においてリーグ間で差が見られることから、リーグにおいて必要とする選手層に違いがあるように感じられる。J2では「大卒」選手が多いことから、即戦力を必要としている。同時に自チームで育成できなかった若手を他ユースから補うことで若手の発掘を行うという構図となりそうだ。
では実際に各チームでそれぞれの割合がどうなっているのか見てみたい。表2には2015年シーズンのJ1、J2各チームの選手構成割合を図にした。表2において「ユース」とは「自ユース」選手を示す。 ・J1では、柏が50%超、G大阪が46%、横浜FM、清水が30%のユース出身選手を抱えている ・J2では札幌、東京V、京都、C大阪がユース出身選手の割合が多い ・高卒選手を積極的に獲得しているのは「鹿島」「浦和」「新潟」あたり