炎上ギリギリ…!マンネリ『オールスター感謝祭』より、深夜の『後夜祭』が熱狂的な支持を集める「際どいネタ」
65回の節目を迎える『感謝祭』
6日夜、改編期恒例の『オールスター感謝祭』(TBS系、18時21分~23時48分)が生放送される。 【一覧】テレビ局「本当は使いたくないタレント」…ワースト1位は意外な大御所…! 1991年秋にスタートしたTBSきっての大型特番であり、さらに今回は「ミニマラソンが史上最長! 65回記念超パワーアップSP!」。65回目の節目だけに「超パワーアップ」と掲げつつ、ドラマや映画主演の長谷川博己、川口春奈、生見愛瑠、永野芽郁などの豪華キャストを集結させているが、ネット上の反応は今一歩という感がある。 今回も80名超の出演者が挑むクイズバトルと、マラソン、アーチェリー、卓球などの目玉企画が予告されているが、2010年代中盤あたりからマンネリの声があがり、かつてのような特別感が消えていた。 その一方で熱狂的なファンを獲得しているのが、同日深夜に生放送されている『オールスター後夜祭』(TBS系、24時58分~26時58分)。同特番は『オールスター感謝祭』のセットをそのまま使い、居残り組に追加メンバーを加えた芸人たちで行われるクイズバトルだが、その内容は派生番組とは言えないほど大きく異なる。しかし、熱狂的なファンを集めるとともに業界視聴率も高く、「改編期はこれが一番の楽しみ」という支持の声をジワジワと増やしてきた。 いったいなぜ看板特番の『感謝祭』より『後夜祭』のほうが熱狂的な支持を集めているのか。それを掘り下げていくと、テレビ番組をめぐる過去と現在の問題が見えてくる。
王者ではなく永久追放を決める戦い
『オールスター後夜祭』は2018年春のスタートから今春が10回目の放送。2021年秋から2020年秋にかけて『世界陸上』やコロナ禍で放送が見送られたときは、ネット上に「『感謝祭』はいいから『後夜祭』だけでも見たかった」「半年に一度の楽しみが奪われた」などと落胆の声が続出していた。 では支持を集めている理由は何なのか。 番組ホームページを見ると、“出演者”の項目に「MC:有吉弘行 高山一実」「出演:『感謝祭』からの居残り組+追加芸人」と記載されているが、目を引くのはそれに続く項目。 “永久追放者”という項目が用意され、「新道竜巳(馬鹿よ貴方は) 見浦彰彦(アイデンティティ) 野田クリスタル(マヂカルラブリー) みちお(トム・ブラウン) 平子祐希(アルコ&ピース) 酒井貴士(ザ・マミィ) ハリウッドザコシショウ 金子きょんちぃ(ぱーてぃーちゃん) 河本太(ウエストランド)」の名前があげられている。 これらは過去に放送されたクイズバトルで最下位になり、同特番に二度と出られなくなった9人であり、野田クリスタルなどの売れっ子が含まれているところからガチンコ感がわかるのではないか。そもそも『後夜祭』の目的は『感謝祭』のようにクイズの王者を決めることではなく、永久追放となる最下位を決めること。MCに有吉弘行を起用している点も含め、毒気たっぷりのコンセプトがウケている。 出題されるクイズは“邪道”そのもの。さまざまな角度からタレントの芸名、芸風、出自、スキャンダルなどを答えさせる、悪意を含むトリッキーなクイズが出題され続ける。たとえば、「旧満州出身じゃないのは誰?」というクイズを定番化していることからも、『感謝祭』のような知識や教養は必要ないことがわかるだろう。