虎のソナタ サンスポの〝マドンナ〟が感じた虎党の熱さ 負けている時ほど読者から熱い電話
サンスポ運動部の〝マドンナ〟が17日に卒業の日を迎えた。このコーナーで何度も登場してきた庶務のトクコさんこと下間徳子さん。3年間の契約が満了し、この日が最後の出社となった。 【写真】2泊3日の博多旅行をプレゼント…観客席で応援する才木の両親 「本当にさみしいです。3年間という短い時間でしたが、たくさんの思い出をつくることができました。みなさんに感謝しています」 運動部だけでなく、整理部、文化報道部、レース部、営業局まで、退社のあいさつ回りを行ったトクコさんは、そう振り返って涙を浮かべた。庶務として、各スポーツ紙の切り抜きや備品の発注、新聞の発送などを行う傍ら、昨年5月からは学生アルバイトとともに夜の勤務にも入り、新聞づくりに携わってきた。そんなトクコさんがサンスポで一番感じたのは、虎党の熱さだ。 「阪神ファンの読者からの電話をたくさん受けました。サンスポへのご意見やご感想もいただいたのですが、印象に残っているのはタイガースについての電話です。特に、負けているときはかかってくる回数が多かったですね。でも、みなさんがそれだけ阪神タイガースというチームを愛しているんだなと思いました」 2022年は矢野監督がキャンプイン前日に突然、同年限りでの辞任を宣言。開幕戦で7点差を逆転されての敗戦から始まり、開幕9連敗を喫した。ファンの怒りの矛先は、なぜかサンスポにも向けられた。「なんで勝てへんねん!」「○○を外して○○を使え!」など…。じゃんじゃん電話がかかってくる。そんなことをサンスポに言われても困る…と思いたいところだが、トクコさんは読者の気持ちに寄り添い、いつも話を最後まで聞いていた。 「個人的には差し入れがありがたかったです」 デスク白石大地は感謝する。出社すると、デスク席にクッキーやチョコなどのトクコさんからの差し入れが置いてあるときがよくあった。「家で食べきれなかった頂き物を持ってきただけなんですよ」とトクコさんは説明するが、阪神の試合結果次第で紙面の方向性が大きく左右されるなか、甘いお菓子がデスク連中の〝精神安定剤〟となっていた。 「これからホークスの試合を見ながら、しばらくゆっくりしようと思っています。あっ、もちろん阪神のことも応援していますよ」