インドネシアの首都ジャカルタで2024年2月4日、大統領選のテレビ討論会に出席した国防相のプラボウォ氏（左）と副大統領候補に指名されたジョコ大統領の長男ギブラン氏=ロイター

　インドネシアの憲法裁判所は22日、2月の大統領選の開票結果を不服とした異議申し立てを却下した。これによって、プラボウォ国防相（72）の当選が確定した。就任式は10月20日で、任期は5年間。副大統領には現職ジョコ大統領の長男ギブラン氏（36）が就く。 （画像）大統領選の開票作業で171人が「過労死」、遺族が語る 　憲法裁に異議を申し立てたのは、前ジャカルタ特別州知事のアニス氏（54）、最大与党・闘争民主党が擁立した前中部ジャワ州知事のガンジャル氏（55）の2陣営。「選挙の独立性が不適切な権力の介入によって損なわれた」（アニス氏）などとして、再選挙を申し立てていた。 　インドネシアの大統領選は正副大統領を1組で選ぶ仕組みだ。 　今回の選挙では、昨年10月の立候補届け出の時点で、規定年齢に達していなかったギブラン氏の副大統領立候補を可能にするため、ジョコ氏が憲法裁判所の判断に関与した疑いが取り沙汰されてきた。 　憲法裁は22日、この疑惑についても触れ、ジョコ氏の介入について、「証拠を見つけることができなかった」と説明した。 　プラボウォ氏の大統領選立候補は今回が3回目。全体の約6割の票を獲得し、他候補を引き離した。2期約10年を務め、おおむね70%前後の支持率を維持するジョコ氏の支持層を取り込み、勝利に結びつけた。（ジャカルタ＝半田尚子）