打点ミスに強い「大慣性モーメント」? 低スピン・強弾道の「低重心」? アマチュアに合うクラブはどっち!?
Qi10 MAXやG430MAX10Kのように慣性モーメント10万超えを謳い、寛容性に長けたドライバーがある一方、GTシリーズのように低重心による強弾道をウリにしているドライバーも。2024年12月号の「月刊ゴルフダイジェスト」ではそれぞれの特徴、人によってどっちが合うのか徹底的に研究しているので「みんゴル」読者にもお届けしよう。
解説:松吉宗之氏 メーカーでクラブの設計・開発をした後、独立してジューシーを立ち上げた。
大慣性モーメント vs 低重心【ヘッド計測編】
「慣性モーメント(MOI)が大きいヘッドは、打点ミスをしてもブレにくいので、球の曲がり幅や飛距離ロスが軽減できます。対して、重心が低いヘッドは、ミートしやすくてスピンを抑えた強い球が打ちやすい。それぞれにアドバンテージがあります」 クラブデザイナーの松吉氏はそう述べる。その大MOIヘッドと低重心ヘッドの大きな違いは、重心深度にあるようだ。画像の重心データでもわかるように、大MOIを追求して重心が深くなるとスイートスポットが高くなりやすいし、重心が浅めだとスイートスポットが低くなりやすい。このセオリーからしても、大MOI(=深重心)vs低重心の対立軸がハッキリした。
重心が深い“大MOIモデル”:スイートエリアが広く打点ミスに強い
カーボンクラウンなどで生み出した余剰重量を後ろへ持っていくことで重心が深くなりMOIが大きくなる。結果、芯を外してもヘッドがブレにくくて球が散らばらない。重心が深くなるほどスイートスポットが高くなる。
■大MOIの特徴①:トウ・ヒール寄りに外しても安定弾道 スイートエリアが広がることで、芯を外してもヘッドのブレが少ない。結果、初速が極端に落ちるのを低減。
■大MOIの特徴②:高重心でスピン量が増えやすい ギア効果によって、高重心だとスピン が入りやすい。スピン量がほどよくあったほうが、弾道が安定する。
■大MOIの特徴③:ヘッドが直線的に動きやすい ネック軸回りMOIが大きいことでフェースの開閉が抑えられ、ヘッドの軌道が“真っすぐ”になりやすい。 ■大MOIの歴史:きっかけはナイキ「SQ SUMO2」 スクエア(四角)ヘッドにして、ルール限界までMOIを高めた。“異形ヘッド”の走り。