衝撃の300万円で登場? ちょうどいいEV=[ヒョンデ インスター]は今度こそ日本車キラーになれるのか!?
■欲しい装備はすべて付いてる!
ボディサイズは全長3825×全幅1610×全高1575mm、ホイールベース2580mmと、トヨタ・ヤリスに近い。クロスオーバー風のデザインはスズキ・ハスラー/クロスビーに似ているような感じだが、前後のライト回アリはIONIQ5で採用されたポリゴンデザインを採用することで先進性も備える。 インテリアは奇を衒わないオーソドックスなインパネレイアウトで質感もそれなりな所はあるが、フル液晶メーター、ナビ付きのタッチスクリーン、運転支援(ACC+ステアリング制御)、パドルシフト(回生量コントロール)、電子パーキングブレーキ&ホールド機能、ステアリングヒーター、シートヒーター&空調、ワイヤレス充電機能などなど、日本のユーザーが「欲しい」と思うであろう装備はすべて設定されている。 肝心な走りはどうか?今回、試乗したのは上級のロングレンジで、84.5kW(115ps)/147 Nmのモーター、47.0kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離はWLTPモードで370(15インチ)/360km(17インチ)と言うパフォーマンスを備える。 今回は韓国の一般道~高速道路で試乗したが、車両重量は1451kgを感じさせない力強さを実感。日本よりも運転がアグレッシブ()で瞬発力が求められるシーンが多々あったが、スペック以上の力強さ。ただ、アクセルを踏んだ時のトルクの立ち上がりは強いが、そこから先の伸びは物足りなさを感じたのも事実。
■当たり前のことが当たり前にできる
気になる電費は高速7割/一般道3割くらいを走らせて8.5~9.0km/kWhを記録。走行前の航続距離とトリップメーター+残りの航続距離も誤差も少なく、実用の航続距離はカタログ値に限りなく近そうだ。 プラットフォームは内燃機関モデル用(ヒョンデK1プラットフォーム)をベースにBEVに最適化されたモノ(バッテリー搭載に合わせて床下にフロアメンバー追加)を採用。それに合わせてEPS制御やサスペンションのセットアップも最適化。更に静粛性アップのために二重シールやアコースティックガラス、補強されたラゲッジボード、アンダーカバーの採用なども行なわれている。 フットワークはコンパクトモデルを感じさせないドシっとしたモノで、全幅1615mmを感じさせない直進安定性。コーナリング時はスポーティ/ワクワクと言った過度な演出は一切なく、操作した分だけ素直に曲がる印象だ。 具体的には応答性や挙動変化を含めたコーナリング一連の流れは穏やかだがダルではない、トレッドが拡大されたかのような安定感とFFらしからぬ4輪を効果的に使った旋回姿勢、基本は安定方向の挙動などを実感。要するに「当たり前のことが当たり前にできる走り」が備えられている。