ダークホース!?アジアカップ2023戦力値ランキング9~16位。日本代表のライバルは何位?
15位:タイ代表 監督:石井正忠 FIFAランキング:113位 戦力値平均:5.3(攻撃力5、守備力5、采配6) かつて鹿島アントラーズや大宮アルディージャを指揮した石井正忠監督が率いるタイ代表は、AFCアジアカップ2023に向けてベストメンバーを集めることができなかった。 特に深刻なのが「攻撃力」で戦力値は「5」とした。ベストな布陣を組めれば2段階上の「7」の評価になってもおかしくはないが、かつてJリーグでもプレーしたティーラシンとチャナティップの2人の攻撃の柱が負傷離脱。エカニット・パンヤ(浦和レッズ)は所属クラブのプレシーズンに参加するために自ら代表を辞退し、大幅な戦力ダウンを余儀なくされた。 本来のタイ代表は彼らの「攻撃力」が強みのチームで、「守備力」が高いわけではない。2023年は15試合で26失点を喫しており、戦力値は「5」とした。元日に行われた日本代表との試合でも、前半は無失点に抑えたが、後半だけで5失点を喫して大敗を喫した。この守備陣には一抹の不安が残る。 この苦しい状況でキーマンとなりそうなのが昨年11月22日に監督に就任したばかりの石井監督だ。アレシャンドレ・ペルキング前監督のもとで振るわなかったタイ代表の再興を任された日本人指揮官は、ブリーラム・ユナイテッドを国内3冠に導いた経験があるなど、国内での評価も高い。 今大会に向けてほぼ準備期間がない中で、結果を残せるかは未知数だが、2016年のクラブワールドカップで鹿島アントラーズを準優勝に導いた経験や、先述したブリーラム・ユナイテッドでカップ戦を制した経験があるなどトーナメントでの実績は豊富だ。主力が不在の中で、2大会連続の決勝トーナメント進出は彼の手腕に懸かっていると言ってよいだろう。
14位:ベトナム代表 監督:フィリップ・トルシエ FIFAランキング:94位 戦力値平均:6.0(攻撃力6、守備力5、采配5) 今大会の日本代表の初戦の相手となったベトナム代表の強さに驚いたファンも多いのではないだろうか。特に前半はかつて日本代表を率いたフィリップ・トルシエの策に苦しみ、一時はセットプレー2発で逆転を許した。 今大会に臨むベトナム代表は全くもってベストメンバーではない。正GKのダン・バン・ラムや現代表で最多得点を記録しているエースのエン・ティエン・リンら各ポジションの主軸たちが怪我のために出場が叶わなかった。 この危機的状況でプラスに働いたのが、トルシエ監督がU-23代表を兼任していたことである。日本代表戦でサプライズとなった19歳のグエン・ディン・バックや20歳のグエン・タイ・ソンら若手選手が離脱者の穴を埋めた。 ベトナム代表は昨年10月に行った中国代表、ウズベキスタン代表、韓国代表との3連戦で無得点に終わるなど、爆発的な「攻撃力」があるチームではないが、それでも戦力値は「6」とした。それは日本代表戦でもみせたセットプレーの上手さだ。いずれも偶発的なものではなく、事前に用意していたものがハマった形であり、オープンプレーから崩すことが難しくてもゴールを奪えるのは彼らの魅力だと言えるだろう。 一方の「守備力」は「5」とやや低くした。日本代表戦でも対ストライカーに対しては執拗なマークでほぼ完璧に対応していたが、2列目からの攻撃には苦戦。もともと格上との対戦で大量失点をすることも珍しくなく、本来であれば守備の要と正GKの不在でさらに崩壊してもおかしくはなかった。それでも今大会が代表デビューのチェコ出身GKグエン・フィリップがその穴を埋めており、戦力ダウンは最低限に留めている。 そして日本代表を苦しめたトルシエ監督の「采配」は「5」とした。アジアカップ本番では日本代表相手にサプライズを起こしたが、昨年の戦いぶりには国内から多くの批判を寄せられていた。その理由の一つがメンバーを固定せず、方向性が見えない戦い方だったのだが、今大会で結果を残せば彼への評価も変わってくるだろう。