マツダ新型「Mazda3」に先行試乗 さらに進化した「理想の座らせ方」
昨秋のロサンゼルスモータショーで世界初公開され、流麗な魂動デザインやスカイアクティブ(SKYACTIV)Xエンジンで注目を集めた新型Mazda3。アメリカで先行して発売され、日本でも年内の登場が噂されている。このマツダの新世代車に、モータージャーナリストの池田直渡氏が米カリフォルニアでひと足先に試乗した。いったいどんなクルマで、何が進化したのか。池田氏がレポートする。 【画像】「自然に曲がる」を追求 新型Mazda3 マニアックに試乗解説
マツダ「第7世代」のトップバッター
マツダは、昨年11月のLAモーターショーで新型Mazda3(国内名アクセラ)を発表した。 Mazda3はいわゆるCセグメント、かつてのファミリアの後継車である。フォルクスワーゲン・ゴルフを中心にトヨタ・プリウスやカローラ、ホンダ・シビック、スバル・インプレッサと言った強豪ひしめく激戦区で戦うグローバルカーである。現在日本国内ではこのクラスのマーケットが大幅に縮小しているが、グローバルに見れば依然最量販クラスである。つまり失敗すれば経営を直撃するし、高評価となれば国際的にマツダの評価をランクアップさせる重要モデルである。 しかも今回のMazda3はいつもと違う役目もある。2012年から始まったマツダの改革を第2ステップへ進める重要な尖兵だ。SKYACTIVの採用で話題となった「第6世代」に代わって、2020年代に向けたマツダのクルマ作りの思想および要素技術を世に問う「第7世代」モデルのトップバッターなのだ。 今回マツダは北米モデルのセダンと欧州モデルの5ドア・ハッチバックの2つのモデルの先行試乗会をカリフォルニアで催行した。まずはマツダの第7世代とは何なのかをお知らせしよう。そして次回の続編ではMazda3の走りはどうだったのかについてレポートする。
人体研究が生んだ「第7世代」の技術
第7世代とは何かについて理解してもらうために、ちょっと変なことを書く。もし今、人型の自動運転ロボットがあって、ハンドルやアクセルやブレーキをこれが操作するとしよう。あなたはこのロボットを自分のクルマに設置するとしたら、何に気をつけるだろうか? 仮定として、システムはほぼ人間に準拠している。両目の位置に取り付けられたステレオカメラで路面状況を捉え、画像処理して状況を分析する。三半規管の位置に加速度センサーを備えて前後左右の加速度を計測して車両の運動を把握する。アクチュエーターは胴体から両腕の位置にアームが生えてステアリングを操作し、下肢の位置に脚の動きをエミュレートしたペダル操作用の足型アームという構成だ。