<後半勝負・尽誠学園の軌跡>/4 四国大会決勝 打撃も守備もまだまだ 自信と悔しさ胸に /香川
2019年秋の県大会で、準々決勝から3試合連続で見せた逆転勝利。“後半勝負”の練習に取り組んだ成果を発揮し、10年ぶりに出場を果たした四国大会の初戦では、愛媛3位の新田と対戦した。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 初回、先頭打者の菊地柚主将(2年)が安打で出塁し、2死二、三塁の好機を作ると、村上侑希斗投手(同)の適時二塁打などで計3点を先取。しかし、村上投手は慣れない大舞台のマウンドで緊張もあって制球が定まらず、五回に同点に追い付かれた。 捕手の橘孝祐選手(同)が何度もマウンドに行き声を掛け続けると村上投手も踏ん張り、七回に再び好機が訪れた。1死二塁から菊地主将が左中間に三塁打を放つと、井脇将誠選手(同)、福井駿選手(同)らが続き、打者一巡の猛攻で計4点を入れて勝ち越しに成功。7―3で新田を降した。 続く準決勝の高知2位の岡豊戦では、初回にいきなり2点を奪われた。「ここから自分たちの流れが来る」。選手たちは声を掛け合いながら、自分たちを信じた。すると五回、福井選手の同点適時打を皮切りに、仲村光陽選手(同)が勝ち越し本塁打を放つなど計5点を挙げ、六回にも7点を加えて13―2のコールドで制した。 しかし、決勝戦で立ちはだかったのが、高知3位の名門・明徳義塾だ。三回に先制され、4点を追う七回、福島武颯士選手(同)の適時打でようやく1点を返した。いつもならここから反撃が始まるが、相手投手の厳しいコースを突くピッチングに打線がつながらない。甘い球を見逃さず確実に捉える明徳打線に村上投手も被安打12を許し、1―8と完敗を喫した。 「試合の流れが相手に行き、“後半勝負”がまったく通用しなかった。相手の方が力が上だった」。甲子園の常連校に勝つためには、打撃力も守備力もまだまだ足りないことを選手たちは痛感した。四国大会の決勝まで勝ち進んだ自信と敗戦の悔しさを胸に、さらなる練習に取り組み始めた。=つづく