予備校「ニチガク」生徒の高3男子「破産の雰囲気は全くなくて、いきなり閉じた」…23年は東大9人早慶44人合格実績も
大学受験予備校「ニチガク」を経営する日本学力振興会(東京都新宿区)が近く破産申し立てを東京地裁に行うことが6日、分かった。代理人弁護士によると、生徒数減少が止まらない中、パソコンの導入や自習室の整備に多額の投資をしたのが重荷となり資金難に陥った。18、19の両日には大学入学共通テストが開かれる。大事な試験を目前に控え、生徒らに動揺が広がった。 校舎がある新宿区のビルの入り口は閉鎖。「債務の支払いに窮する状態にあるため、破産申し立てを視野に入れ、債務を整理する予定でおります」などとする4日付の案内文が掲示されていた。また、生徒や保護者に私物を指定日に搬出するよう促す書面もあった。 ビルには、教材や文房具を持ち帰るために訪れる生徒や保護者が次々と訪れた。東京都町田市の高校3年の男子生徒は「授業には満足していた。先月30日に来た時は破産の雰囲気は全くなくて、いきなり閉じた」と話した。共通テストに向けて自宅などで勉強を続けるという。 負債総額は1億円弱の見込み。債権者は約150人で、大半は授業料を納めた生徒側や勤務している講師という。 日本学力振興会は1983年に設立され、西新宿に事務所・校舎がある。「新宿で40年の歴史ある指導」をうたっていた。ニチガクのホームページによると、23年の実績は全165人のうち155人が合格。東大は12人中9人、早慶は55人中44人が合格で、授業料は既卒生対象コースで年間130万円ほどとなっている。ビル内にいた同予備校の関係者は「私は何も事情を知らないんです」と困惑の表情を見せていた。
報知新聞社