損保ジャパン、千葉銀行でも情報漏洩が判明 2008年から最大1万1500件が漏洩
保険代理店への損害保険ジャパンの出向者が他の損保の顧客情報を出身母体に漏洩(報告)していた問題で、千葉銀行(米本努頭取、千葉市)への出向者による情報漏洩があったと同行が7月26日発表した。銀行での表面化は初めてで、少なくとも2008年以降の損保ジャパン出向者による情報漏洩が確認されており、最大で約1万1500件になる可能性があるという。シェア確認が目的でこの理由が判明したのは3件目。損保ジャパンがシェア確認のために、少なくとも10数年以上前から出向者に情報を上げるよう組織的に行っていた可能性がある。 今後さらに多くの事例が表面化する可能性がある。損保ジャパンは一連の情報漏洩をめぐって、金融庁から22日付で報告徴求命令を受け、8月末まで詳細を提出するよう求められている。 今回の千葉銀行の件は、同行と、同行と親密な保険代理店「東方エージェンシー」(中村旬治社長、千葉市)に火災保険などを申し込み、同行に口座振替などを依頼した個人や法人の契約者名、保険契約内容が漏洩された。 同行の説明によると損保ジャパン側は「シェア確認のために取引店番号と保険料の情報を利用したが、個人が特定できる情報は利用していない」と説明しているという。 損保ジャパンから同行に6月11日に報告があり、判明した。この時期の発表になったことについて同行は「損保ジャパン側で入手した資料が破棄されていて、千葉銀行の方で調べざるを得なかったため時間がかかった。最大で1万件超という大規模な漏洩だったため公表することにした」と話している。 同行によると、損保ジャパンは2008年より前の情報についても漏洩があった可能性があると話しているという。 今回の件について損保ジャパンは「調査中のため答えられない」としている。 損保ジャパンは23日、同社からの出向者が9つの代理店で情報漏洩をしていたことを発表しているが、具体的な内容は明らかにしていない。現時点で、千葉銀行以外に3つの代理店が情報漏洩があったことを自ら公表している。