目を引くフォルムに秘めた走りの気持ち良さ「スズキ・スイフト」【最新国産新型車 SUZUKI SWIFT】
ラインナップはシンプルに 正しい正常進化の在り方
スイフトといえば、スズキ随一のグローバルカーであり、同時にマニアにも一目置かれるスポーティな走りとデザインが自慢のコンパクトカーだ。エントリーカーという本来のニーズのほか、クルマを知り尽くした好事家があえて乗っても満足感が高いのが自慢だ。今回は7年ぶりのフルモデルチェンジとなるが、そのパッケージレイアウトやスポーティな走りは、世界的に成功作だった先代の、まさに正常進化である。 【写真】スズキ・スイフトの詳細を見る
エステリア
一方で、エクステリアを先代とは趣きの異なるラウンドデザインとしているのは、スイフトの重要顧客である女性やライト層を意識した結果でもあるという。先代のデザインはクルマ好きには好評だったが、特別にクルマ好きではない客層から「自分には似合わない」と敬遠されることもあったという。 インテリアもクラシカルな先代とは一転、よりスマートで明るい雰囲気となった。先代改良型プラットフォームのホイールベースやスリーサイズも、先代と全長以外変わらない。海外向けは3ナンバー幅となるが、日本仕様は専用の5ナンバーサイズになるのも先代同様。サイズについては日本や欧州、インドといった主要市場のすべてで「今のサイズがベスト」と評されていたからだという。
乗降性
先代では一時期パワフルな1.0lターボやフルハイブリッドも用意されていたパワートレインだが、今回は1.2l自然吸気の一択となった。グレードによってマイルドハイブリッドの有無があるのは先代同様で、マニア好みの5速MTも残された。その5速MTはスイフトでは初めて、マイルドハイブリッドとの組み合わせとなる。ターボやフルハイブリッドが廃止されたのは、ずばり「先代で思ったほど売れなかった」からで、現時点では追加する予定もない。最も厳しい欧州規制も、1.21l+マイルドハイブリッドでクリアする見込みという。ただし、その1.2lエンジンは完全新開発の3気筒である。
インストルメントパネル
じっくりと熟成・改良の手が入れられたシャシーは、いかにもスイフトらしい剛性感と正確性を披露すると同時に、接地感が明らかに増しているのに感心する。また、先代より車重が軽くなったと錯覚(実際は新型の方が少しだけ重い)してしまうのは、それだけステアリングが強力かつ正確になったからだ。それに加えてリヤは明確にどっしりと踏ん張るようになったので、全体にはより安心感の高い操縦性になった。