「農家後継者不足」の解消に取り組む 愛媛発“本気の”農業アイドルとは?
単純にアイドルだけやりたい子はやめていく
「最初はボランティアで公民館や物産展でPRするのに小さなマイクを持って駆けつけたりするところから始まりまして。メンバーたちも、歌や踊りを好きでやっている以上に、農業活性化の使命を帯びてやっています。単純にアイドルだけがしたい子は、やめていきます」 キャラクターとしての“農業アイドル”ではなく、本当に農作業をやっているところに愛の葉Girlsの意義がある。メンバーたちはみんな一生懸命、農作業をしているそうだ。大本は力をこめて話す。 「たとえば、畑の敷地内なら未成年でもコンバインを運転できるので、中高生メンバーが乗って楽しそうに収穫しています。私も高1ですが、学業より農業のほうが楽しくて、お勉強さぼりたいなという気持ちもあるんですけど、両立しなくちゃいけないので、お勉強もしっかりやっています。でも農作業で土にふれただけで、心がなごんでリラックスできるんですよね。明日も勉強しなきゃなー、がんばらなきゃなーって思えるんです。すべてに癒やされます」
愛の葉Girlsは、純粋にアイドルオンリーのライブに出演するのは年に3回程度で、多くは地元の地産地消フェア、産業祭り、モールでの産品のPRなどに盛り上げの一環として出演している。地元のスーパーも愛の葉ガールズがPRすると“愛の葉効果”として101%から130%ほど売上が増えたというデータがあるそうだ。もちろんJAのイベントにも出るが、オファーがないときは自社の農園、ビニールハウスの中でライブをするという。 4月には5周年記念パーティーも控えている。最近はご当地アイドルブームも一段落した感があるが、どこの地域でも本当に地元に貢献しているグループが輝きを放ち続けているようだ。 (取材・文・写真:志和浩司)