生活が苦しいという隣人に生活保護を勧めたら「短期間しか支給されないから…」と言っていました。本当でしょうか?
生活に困窮している人が受給できる生活保護については、誤解している部分がある方もいらっしゃると思います。 例えば「生活保護は短期間しか支給されない」という理由で申請をためらっている人がいた場合、実際はどうなのかを確認してみるといいでしょう。 本記事では、生活保護の受給期間について、制限の有無や、生活保護が打ち切られるケースなどをご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護の受給期間に制限はある?
生活保護は、資産や能力などをすべて活用してもなお生活に困窮していて、最低限の生活に必要な費用である「最低生活費」を収入が下回っていることが受給条件になります。 「資産や能力の活用」について、厚生労働省「生活保護制度」を基にご紹介します。 ●資産の活用:預貯金、生活に利用されていない土地・家屋などがあれば売却などをし、生活費に充てる ●能力の活用:働くことが可能な方は、その能力に応じて働く ●あらゆるものの活用:年金や手当などほかの制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用する ●扶養義務者の扶養:親族などから援助を受けることができる場合は、援助を受ける 生活保護の受給期間に制限はなく、上記の条件を活用してもなお、最低限の生活が送れない場合には「保護が必要」と判断され、生活保護を受給できます。つまり、条件を満たしている限りは、長期的に生活保護を受けられる可能性が高いといえるでしょう。
生活保護が打ち切られるケースとは?
収入が増加して最低生活費を上回ったときは、生活保護は打ち切りとなります。また、収入が最低生活費を下回っていても、以下のようなケースでは生活保護を打ち切られる可能性があるようです。 ●受給者本人が生活保護の受給を辞退したとき ●ケースワーカーの指導指示に違反したとき 厚生労働省では、生活保護の受給中は生活の維持・向上に努めること、かつ、それを目的として福祉事務所から指導や指示を受けた場合は従わなければならないと義務付けられています。 ただし、生活保護法第二十七条に「指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない」とあるように、生活保護の実施機関から事細かに厳しい指導指示が行われることはないはずです。 よほどのことがない限り、生活保護の受給条件に当てはまっている以上は受給し続けられると考えられます。