山田裕貴、『ジョーカー2』は“いつまでも考え続ける”続編「現実と妄想の境目がわからない」【単独インタビュー】
山田は、ジョーカーと対峙するハービー検事の吹替に挑戦。時代の寵児となったジョーカーを裁く正義の検事として登場するが、本作では、掴みどころがない不思議なキャラクターとして描かれているという。
「俳優さんのお芝居が、意図を見せないようにして作られているのかなってくらい淡々としていたんです。ジョーカーを絶対に有罪にしようとする表情もなく、有罪確定の瞬間に『勝ったな』という顔もしない。あえてその表情を見せないという監督の意図だったのかもしれませんが、その辺りは(アフレコしながら)深読みしていました」
「ジョーカーを裁くとなると、それなりの緊張感だったり、少し熱くなる部分があると思うんです。でも、ハービーは、悪のシンボルと向き合った時の動揺も一切なくて、『何この人?』って思いましたし、そこが面白かったです」 前作『ジョーカー』は現実とアーサーの妄想が混在する映画だったが、続編も同様の構成なのか? 山田は「どこからが現実で、どこからが妄想なのか、境目がわからない」と強調した。「一言で表すのが難しい作品ですし、僕が『こういう作品です』と言うのも難しい。終わった後に『このシーンは、どういうことなんだろう』とみんなで話し合う映画だと思いますし、いつまでも考え続ける映画になると思います。『答えとは何か』と心に刻みながらも、モヤモヤしたまま生かされてしまう映画なのではないでしょうか」(取材・文:編集部・倉本拓弥)
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は10月11日(金)全国公開