【有馬記念】ローシャムパークの日曜追いは美浦坂路でラスト12秒2「前回の競馬で新たな一面」
<有馬記念:日曜追い> BCターフ2着馬ローシャムパーク(牡5、田中博)はあふれるやる気を制御した。レース7日前の日曜追いは美浦坂路での調整。2本目の登坂で4ハロン53秒1-ラスト12秒2を計時した。スタート直後の1ハロンあたりは頭を上げ気味になる場面はあったものの、その後はおおむねスムーズな走りで、最後まで力強かった。米国遠征からの帰国初戦になるが、体調そのものは良好だ。 田中博師は「前進気勢が強いので、折り合いが鍵になってきます。いかにいいフォームで走れるかですね。少しはみ出ていますが、コントロールは利いています。コンディションはいいですけど、体の痛みが今回はちょっときつかったので、少しずつやりながら、調教強度を上げつつ良くなってきています」と現状を分析した。 前走のBCターフは隔年Vを達成したレベルスロマンスを相手に後方から首差まで迫る力走。小回りのデルマー競馬場で見せたパフォーマンスは、今回の中山2500メートル克服にもつながりそうだ。 「今までは戦法的に定まらず、あくまでゲートの出方次第の競馬でした。前回が最後方からリズムをとって途中から進出。距離が延びていることで、そういった競馬をした中でも良さが出ました。距離自体は延びていいと思っていましたが、乗り難しさがデメリットになるとは感じていましたし、前回の競馬で新たな一面を見せられたことがよかったと思います。あの競馬があったから、有馬記念がイメージしやすくなりました」 田中博厩舎は14日時点で、46勝を挙げ、今年の関東リーディングを快走中(2位は堀厩舎の45勝)。開業7年目にして東の頂点を極めようとしている。「少しずつですが、やらないといけないことが明確になって、取り組みの精度が上がってきたのかな。スタッフが誰ひとり辞めずに、開業から変わらないメンバーでやれていますから。そういった精度が上がっているから、年数を重ねて成績が出ていることにもつながっているのかと思います。でも、自分だけでなく、スタッフもまだまだこの成績には満足していませんよ」。気鋭の厩舎が迎える初のグランプリ。仕上げに注目だ。【松田直樹】