【市民襲撃4事件】県警本部長「工藤会壊滅に至るまで総力を挙げる」野村被告の死刑破棄を受け 福岡
市民を襲撃した4つの事件で殺人などの罪に問われ、1審で死刑判決を受けた特定危険指定暴力団、工藤会トップの控訴審判決が12日午前10時から開かれ、福岡高等裁判所は野村被告の1審判決を破棄し、無期懲役を言い渡しました。田上被告の控訴は棄却しました。 これを受け、福岡県警の岩下剛本部長は「あくまでも通過点として、工藤会が壊滅に至るまで、いかなる状況下であろうと、いささかも手を緩めることなく、県警察の総力を挙げた諸対策を徹底して進めていく」とするコメントを発表しました。 そのうえで「工藤会組員の諸君は今回の判決をひとつの区切りとして工藤会と決別し、更生の道を歩んでほしい。県警察がしっかり支援していくので、いつでも相談してもらいたい」と呼びかけました。 また、福岡県の服部知事は「今後の動向を見守る」としたうえで「引き続き、福岡県暴力団排除条例に基づき、警察はもとより、市町村、県民、事業者の皆様と一体となって、断固たる決意のもと暴力団排除の取り組みを進め、県民の安全で安心な暮らしを守ってまいります」とコメントしています。
裁判は午前11時50分ごろ、いったん休廷し、午後1時半から再開予定です。午後も判決理由の読み上げが続きます。
工藤会トップで総裁の野村悟被告(77)とナンバー2で会長の田上不美夫被告(67)は、1998年、港の公共工事への介入を断ったとされる元漁協組合長が射殺された事件、2012年に工藤会の捜査に長年携わっていた福岡県警のOBが銃撃された事件、2013年に野村被告が通っていたクリニックに勤めていた女性看護師が切りつけられた事件、2014年に元漁協組合長の孫にあたる歯科医師が切りつけられた事件の4つの事件で、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われています。
直接的な関与を示す証拠がないなか、1審の福岡地裁は2021年、野村被告を「首謀者」と認定し野村被告に死刑、田上被告に無期懲役とする判決を言い渡し、被告側が控訴していました。
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