シリア旧政府軍の攻撃で警官14人死亡 中部では抗議デモも
シリアの暫定政権は26日、崩壊したアサド政権を支持する旧政府軍の「残党」が西部タルトスで警官隊に待ち伏せ攻撃をしかけ、警官14人が死亡、10人が負傷したと明らかにした。ロイター通信が報じた。中部ホムスでは暫定政権に対する抗議デモも起きたと報じられており、治安悪化が懸念されている。 【写真特集】アサド政権が崩壊したシリア 怒りや悲しみを抱えて シリアでは8日にアサド政権が崩壊し、旧政府軍は離散していた。暫定政権を主導する旧反体制派の「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)は少数派の保護など穏健な方針を打ち出しているが、政権崩壊後、アサド前大統領と同じイスラム教少数派アラウィ派に対する「処刑」が起きたとも報じられている。 ロイター通信によると、ホムスではアラウィ派やイスラム教シーア派が主導する抗議デモが起き、25日夜~26日朝に外出禁止令が出された。タルトスなどアラウィ派の住民が多い地域でも小規模なデモが起きたという。 暫定政権は旧反体制派の武装勢力を解体し、国軍として再編する方針を示しているが、治安維持に失敗すれば、情勢が混乱する恐れもある。【カイロ金子淳】