<センバツ>津田学園・前佑囲斗、170球熱投も実らず 緊張感「精神的に疲労も」
◇第91回選抜高校野球 ○龍谷大平安2-0津田学園●(25日・甲子園) 延長戦に泣いた。津田学園の前佑囲斗(ゆいと)投手は、10イニングを散発3安打に抑えていたが、十一回に2四死球をきっかけに2失点。170球の熱投も実らず、「延長を投げきる力をつけたい」と悔しさをにじませた。 【津田学園vs龍谷大平安の熱戦を写真特集で】 見せ場は四回。2四死球と犠打で1死二、三塁とされたが、「自分で作ったピンチは自分で抑える」。早くなっていた体の開きを修正し、6番・三尾を外角直球で空振り三振。続く長畑も高めの直球を振らせて、連続三振で切り抜けた。 試練は六回に訪れた。力みすぎて右手の親指、ひとさし指、中指がつったような感覚になったという。それでも「投げて治していった」。だが、投球数が100球を超えていた九回からは毎回、得点圏に走者を背負う。さらに1点も許せない緊張感から「精神的な疲労がたまった」と振り返る。 自身の投球を「70点」と反省しながら「全員で一つのボールに向かっていけた」。帽子のつばに「全員野球」と記すエースは充実感を漂わせた。【田中将隆】