【記者解説】自民党総裁選挙で石破氏が新総裁に 沖縄への影響は?
沖縄テレビ
自民党総裁選挙が投開票され、石破茂氏が新総裁に選ばれた。日米地位協定の改定に意欲を示していた石破氏。沖縄への影響について取材にあたっている與古田遼記者が解説。 稲嶺羊輔キャスター: ここからは取材に当たっている與古田記者とお伝えします。さて、次期総理大臣となる新総裁に石破氏が決まりましたね。 與古田遼記者: 沖縄にとっては、普天間基地の移設問題や自衛隊の南西シフト、それに、沖縄振興策など県内の課題の行方を左右する重要な位置付けとなっていました。 開票された県内の党員票の結果ですが最も多く票を得たのは石破氏でした。決戦投票では、沖縄の1票は新総裁の石破氏に投じられたということになります。 稲嶺羊輔キャスター: 次期総理となる新総裁ですが石破氏と沖縄との関りはどうでしょうか。 與古田遼記者: これまで防衛大臣などを務め安全保障政策に精通していることで知られています。普天間基地の名護市辺野古への移設を推し進めてきた石破さんは、自民党の幹事長だった2013年に、普天間基地の辺野古への移設計画に対して当時、反対の立場だった県選出の国会議員や県連に対して容認に転じるよう迫りました。 稲嶺羊輔キャスター: 今月、なはーとで開かれた候補者討論会では、普天間基地の移設問題や地位協定の見直しについて言及がありましたね。 與古田遼記者: 候補者討論会では、方針の転換を迫ったことに対して謝罪する場面もありましたが、改めて普天間の危険性除去には「辺野古が唯一」とする認識を示しています。その上で、県などが求める日米地協定の改定については意欲を示しました。 9月17日討論会 石破茂氏: 「私は地位協定県連の皆様共にこれの見直しに着手を致します」「運用の改善だけで事が済むとは私は思いません」 與古田遼記者: 自民党関係者は、石破氏について「討論会で地位協定の改定に言及したことが、県民の共感を得たのでは」と評価する声がある。一方で別の関係者は「安定感はあるが辺野古容認を迫ったことが今も県民の印象に残っていて、次期衆院選に少なからず影響があるのでは」と不安視する声もありました。 稲嶺羊輔キャスター: 石破新総裁の誕生を受け玉城知事はコメントを発表しました。 小林美沙希キャスター: 玉城知事は石破氏が地位協定の改定について言及したことを踏まえ「アメリカ軍基地問題を始めとする沖縄の実情を理解されていると思う」「県民の声を反映した見直しを期待する」としています。一方、普天間基地の辺野古移設に関しては「軟弱地盤や工期の問題など現状を踏まえて県との対話を実現していただきたい」としています。 稲嶺羊輔キャスター: 県内の党員票でもトップだった石破氏が、山積する沖縄の課題にどう向き合うかが注目されますね。 與古田遼記者: 石破氏は10月1日の臨時国会で総理大臣に指名される見通しで、早ければ10月にも新たな政権の下で解散総選挙が実施されると見込まれています。沖縄の基地負担軽減や経済振興など沖縄の問題とどう向き合うのか石破政権の手腕が注目されます。
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