大泉洋、宮藤官九郎との初タッグで昭和19年にタイムスリップする脚本家の役に “大泉節”さく裂で学生たちにエールも<終りに見た街>
9月20日、都内で「テレビ朝日開局65周年記念 ドラマプレミアム『終りに見た街』制作発表記者会見」が開催され、主演の大泉洋が登壇した。 【写真】大泉洋、会場を訪れた学生たちと笑顔で作品をアピール ■山田太一の原作を20年ぶり、3度目のドラマ化 同作は、山田太一の同名作品が原作。20年ぶり3度目のドラマ化となっており、主演の大泉と脚本を担当する宮藤官九郎がタッグを組んでリメークする。 令和の時代から昭和19年にタイプスリップし、家族と共に翻弄(ほんろう)される主人公のテレビ脚本家・田宮太一を演じた大泉は、ドラマの設定に合わせ昭和の家をイメージしたセットに登場。「デパートの屋上みたいな。よく分かんないセットが組まれていますけども」と初っ端からボヤキをこぼす。 昭和らしいおもちゃを手に取り遊びつつ「今思うとこれの何が面白かったんでしょうね(笑)」と大泉節をさく裂させていた。 ■宮藤官九郎のオファーの速さに驚き テレビ朝日ドラマ初出演&初主演となった大泉は、脚本を担当した宮藤とも初タッグとなる。これまでについて「何となく縁がなかったですね」と振り返りつつ、「憧れのように見ていましたから、宮藤さんの作品や舞台にはいつか出られたらいいなと思いましたけど」とコメント。 さらに、「たまたま『こんにちは、母さん』(2024年)という作品で共演させていただいて。話をしていたらフラットでなんとも楽しい方で、会話の言葉のチョイスも面白いわけですよ。セールストークで『ぜひ宮藤さんの作品にも出させてください』って言っていたら、ものすごい速さでオファーが来たからびっくりしました。宮藤さんも『びっくりするだろうなと思ってオファーした』と後のインタビューで言っていたから、まんまとその通りだったなと思いました」と裏側を明かした。 ■「神木くんに妻を取られるって本当に嫌じゃないですか(笑)」 そして、吉田羊、三田佳子、堤真一や神木隆之介、西田敏行、橋爪功など、豪華な共演者陣が作品を彩る。大泉は「ちょっとした役でいろんな方がお出になられているんです」と紹介した上で「やっぱり神木くんに会ったときには、久しぶりにお会いしたのもあって、今や、やれゴジラだ、やれ朝ドラだと。神木くんのオーラったらなかったですね。神木くんに会うのってこんなに幸せな気持ちになるんだなって」と回顧。 「(神木の)役がちょっと嫌な役で、奥さんである吉田羊さんの仕事先の同僚なんですね。その同僚のことがちょっと好きなのかな?と(大泉側が)やきもちを焼く役。神木くんと聞いたときには、どうにもならない嫌な気持ちになりましたね(笑)。神木くんに妻を取られるって本当に嫌じゃないですか(笑)。そういう人じゃ無いから。よくこんなキャスティング考えるなって」と話し、会場の笑いを誘った。 また、撮影現場を振り返り「堤さんもよくしゃべるし、吉田羊さんもよくしゃべるし、まあ私が一番しゃべるわけですけど(笑)。結局しゃべるやつがやたらと現場にいるわけですよ。だから、戦争という重たいテーマを扱いながらも、現場は笑い声にあふれていました。ついつい笑ってしまうというか…」と、和やかな雰囲気だったと明かした。 ■演技を勉強する大学生へ真剣に回答する一幕も 同会見には、戦争の悲惨さを次世代に伝えることを目的として呼びかけられ、大学生、大学院生が試写会から参加。感想を伝えると共に、大学生らしい質問を大泉へ投げかけた。 演技を勉強しているという大学1年生からの「役を演じる上で大切にしていることは?」という質問には、「一番怖いことを聞かれましたね」と話しつつ「私は思うんですけど、ドラマ・映画というのは総合芸術だと思うんですよね。いろんな人が自分たちの仕事をして成り立つわけで。その中で私は俳優部なわけです。みんなで作る中の、私は一つ演じるパートの人間なんだよなと常に思うんです。皆さんが作ってくれた世界観に乗っかって、さらにいいものにしたいなという思いはあるんですよ」と回答。 さらに「自分の中で演技をなるだけ固めないようにはと思うんです。あまりにも自分が作った世界観に固執してしまうと、みんなが作ってきたものと乖離しても怖いなと。もちろん自分なりに考えてはいくわけですけど、どこかで一回全部忘れるというか。いろんなことを頭に入れては行くけど、現場で受ける刺激で自分がどれだけ変われるかを楽しみにしているし大事にしているというか。総合芸術であって、みんなが作ってくれたものを取り入れて、現場で最終的に私が表現できたらいいなと思いはあります」と真剣に言葉を送った。 ■タイムスリップできるなら「源頼朝とかちょっと見てみたい」 また、記者からの「好きな時代にタイムスリップするならいつがいいか?」という質問には「どの時代に行っても大変そうだなと思いますけど、興味本位のことで言うと、過去に演じた役がどんな人だったのかな?なんて思うと、源頼朝とかちょっと見てみたいと思います」とコメント。 「戦国時代は気になったりします。行って速攻やられる気がしますけどね(笑)。頼朝さんなんかは特に、我々が子供の頃から見ていた肖像画と違うっていううわさもあるから、歴史上の偉大な人は見てみたい気もします」と冗談を挟みつつ語った。 さらに、集まった大学生への人生のアドバイスを求められると、「小さくまとまってほしくないなと思いますね。就職という言葉を聞くと、どうしてもどこかの企業に行ってそこで働くというイメージになってしまうけど、自分だったら何ならできるかな?に当てはめて仕事を選ぶよりも、もっと違うアプローチで突き進んでいってもらえたらいいなと思います。好きなことをとことん突き詰めてもいいんじゃないかな」とすてきな言葉を。 しかし、その後の「逆に大学生になったら何をしたい?」という質問には「一番いい会社を探すでしょうね。安定ですよね。大企業に就職して、手堅く給料をもらい、安定を目指していきたい」と即答。「ここにいる皆さんには、自分の可能性を限定せずに冒険していただきたい。私は手堅くいきますけどね(笑)」と最後まで“大泉節”を連発させながら学生たちにエールを送った。