【社説】「小さなポーチ」表現で物議のアンカーがKBS社長候補…公共放送への侮辱だ
大統領夫人のキム・ゴンヒ女史が受け取ったブランドバッグを「ポーチ」や「小さなバッグ」と表現したことで物議をかもしたアンカーのパク・チャンボム氏が、韓国放送(KBS)の社長の最終候補に選ばれた。KBS内部では「小さなポーチ」が「大統領の酒飲み友達」(パク・ミン現社長)に勝ったという嘲弄混じりの反応が出ている。公共放送の社長という重大な職責が、大統領夫妻との親疎関係やへつらい発言の代価であるかのように解釈される現実自体が、公共放送の地位と価値を傷つける侮辱だ。 KBS理事会は23日「27代社長志願者面接審査」を終えた後、表決を経て社長候補者として「ニュース9」アンカーのパク・チャンボム氏の任命を要請することを議決した。パク氏は昨年のパク・ミン社長就任直後に9時のニュース司会者に抜擢され、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領との新年特別対談「大統領室へ行く」でキム・ゴンヒ女史のブランドバッグ授受について「ポーチ」「小さなバッグ」と表現し、話題に上った。この日の面接審査でパク氏は「『なぜブランドものという表現を使わなかったのか』と質問する方々がいるが、基本的にメディアで区分する品目は生活必需品か贅沢品かであり、『ブランドもの』は入っていない。輸入もののぜいたく品をなぜブランドものと呼ばねばならないのか、それは不適切だと思う」と詭弁をならべた。大統領の機嫌を損ねないようにわざと意味を縮小して表現したことを全国民が見ていたが、非論理的な釈明ですり抜けようとする姿勢だ。このような人物がKBSの社長になれば、今後どれだけ政権に媚びた報道をするか懸念される。 野党指向のKBS理事4人は、「2人体制」の放送通信委の推薦で任命された与党指向の理事7人が進める社長選任手続き自体が違法だとし、この日表決に参加しなかった。彼らは24日、理事会の議決に対する効力停止仮処分申立て訴訟を提起したと明らかにした。裁判所は17日、「ニュース打破(タパ)」の「キム・マンベ、シン・ハンニム会話録音記録」の一部を放送した文化放送(「PD手帳」)に放送通信委が賦課した課徴金処分取り消し判決を下し、「2人体制の放送通信委」の違法性を指摘している。5人合議制の行政機関である放送通信委で多数決の原理が成立するには、少なくとも3人の委員が必要だという趣旨だった。 このすべての「違法行列」は、尹大統領の強引な放送掌握欲から始まったとしか言えない。尹大統領は一日も早く放送通信委を正常化し、公共放送の自由と独立を保障しなければならない。 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)