理解・応用力がある人とそうでない人の決定的差 大人の脳をやる気にさせるためのすごい仕組み
これは、ニューロンの発火なので「ニューロナルファイアリング」と言います。この場ではわかりやすくするために、単純に「ファイアリング」と呼ぶことにします。 そして、インプットされた情報を理解系や思考系の脳番地に届ける情報伝導道路の役割をしているのが「ネットワークファイアリング」です。 つまり、脳内では、脳番地のファイアリングが起こり、ネットワークファイアリングによって情報が伝達され、また次の脳番地でファイアリングが起こり……ということが繰り返されているのです。
さらに言うと、最初の情報入力のインパクトが強いほど、ファイアリングも強火になり、ネットワークファイアリングから次のファイアリングへと伝播しやすくなります。 最初のファイアリングが強ければ強いほど、記憶としても残りやすくなります。 ■脳の基礎体力が足りないと発火も起こりにくい しかし、ここで問題になるのが、脳の枝ぶりです。日頃、あまり使っていない脳番地では枝ぶりも弱々しく、働きが落ちているためにファイアリングも起こりにくくなっています。
強いファイアリングがないとネットワークファイアリングへと繋がっていかず、そこで連携プレーが断たれます。さらに、ノロノロ運転の道路があると情報を伝える力も弱まり、ネットワークファイアリングが起こりません。せっかくインプットされた情報を活かし切ることが難しくなるのです。 脳の枝ぶりをよくしていくことは、脳番地をまんべんなく働かせて、自分にとって必要な情報を最大限に活かすことに繫がります。 そのためには、各脳番地の特性を知るとともに、それぞれの脳番地がどうしたらファイアリングをするのかをまずは知っておくことが大切です。
加藤 俊徳 :医学博士/「脳の学校」代表