Bloomberg

（ブルームバーグ）： 10月第４週（21－25日）の日本株は一進一退となる見通し。国内主要企業の決算発表の本格化や週末の衆議院選挙を直前に控え、明確な方向感が出づらい状況だ。米国の企業決算の動向も注視される。

国内の決算発表予定は22日にニデック、23日にキヤノン、24日はファナックや信越化学工業など。本格化するのは翌週以降で発表数はまだ少なく、さらに半導体関連企業を中心に業績に対する不透明感が強まっている点は気がかりだ。一方、米国では22日にゼネラル・モーターズや３Ｍ、テキサス・インスツルメンツ（ＴＩ）、23日にボーイングやラムリサーチ、テスラなどがある。

27日投開票の衆院選では与党の自民、公明両党が合わせて過半数を確保する公算だと読売新聞と毎日新聞が報道。日本経済新聞は自民単独では衆院定数の過半数に届かない可能性があると伝えた。政治の混乱は日本株の上値抑制要因になるため、選挙結果を見極めたいとの様子見ムードが強まりそうだ。

このほか、海外では22日に国際通貨基金（ＩＭＦ）が世界経済見通し（ＷＥＯ）を発表する。国内では23日に東京地下鉄（東京メトロ）が新規上場し、25日は10月の東京都区部消費者物価指数（ＣＰＩ）が発表される。第３週の東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）は週間で0.6％安と反落。

《市場関係者の見方》

楽天投信投資顧問第二運用部の平川康彦部長

小動きだろう。衆院選や米大統領選、決算など材料が出てくる直前の時期に当たり、投資家はポジションを一方向に傾けづらい。米企業決算の増益率は１桁台前半のイメージで、足元の米株高は金利低下による株価収益率（ＰＥＲ）の拡大が引っ張っている。高値圏にあるだけに、やや心配。衆院選では自民が単独過半数割れとなれば、来年の参院選は石破首相で戦えるのかという懸念が出て、株価にマイナスに働きそう。

アイザワ証券事業推進部河西幸弘シニアストラテジスト

衆院解散から投開票前日までの過去平均では、騰落率の平均は過去４％上昇しており、４万500円ほどを目指すような動きになるだろう。世論調査で石破政権が短命に終わるとの見方が強まれば、次の首相として意識される「高市トレード」が強まり、円安・株高になりやすい状況が続く。東京ＣＰＩはドル・円に影響する可能性があり、200日移動平均線の151円30銭付近を超えれば、日経平均の上昇も加速するだろう。