鹿児島の40代夫婦「1,280万円の物件」で不動産投資→驚きの利回りに…会社員は“大家業に向いている”といえる理由【メガバンク出身のコンサルタントが解説】
【事例】40代会社員夫婦が賃貸用不動産を購入するまで
夫は数字、妻はコミュニケーション…夫婦の強みを生かして役割分担 神村尚・楽々夫妻は、「お金のソムリエ協会」で学んだ後、2020年から地元の鹿児島県で不動産投資に挑戦しました。 まず、会社員である尚さん(42歳)と妻・楽々さん(38歳)とで役割分担を明確にしました。尚さんは数字やパソコンに強いので、インターネットで物件の調査、さらに借入の段階では地元信用金庫へ事業計画などの数字を説明、会社員としての信用力を活かして借入交渉を担当しました(最終的に自己資金380万円、借入金額1,000万円、金利1.90%、期間20年にて借入に成功)。 一方、楽々さんは看護師時代に培ったコミュニケーション能力や人の世話をする能力を活かして、めぼしい物件の現場を訪問、不動産仲介会社、管理会社とのやり取りや現地調査を担当しました。夫婦でお互いの強みを発揮し合うことで、3人の子育てをしながら大家業の副業を開始しました。 最初に購入した物件は、中古アパートで、入居者がすべて埋まっている満室状態でのオーナーチェンジの形でした。 ・物件:中古アパート(1DK4戸)、築37年 ・立地:鹿児島県内の再開発が進むエリア ・価格:1,280万円 ・周辺:駅や商業施設へ自転車で10~15分 家賃が1戸3万1600円なので、利回り11.85%になります。 さらに神村夫妻は、第2弾の物件として、中古戸建て投資も行い、長くネット上に出て売れていなかった物件の現地調査を行い、丁寧な交渉で提示金額の半額以下での購入に成功しました。 こうした事例のように、「大家業」においては、資金繰りと立地が最大のポイントになりますが、そのためにも自分たちがよくわかっているエリアか、すぐに現地へ調査に行ける範囲の物件で行うことが重要でしょう。
副業で賃貸ビジネスをすれば「節税」も可能
会社員には給与所得控除というものがあるため、経費計上は原則として認められませんが、副業で賃貸ビジネスを行うと、事業に関わるさまざまな経費の計上が可能になり、節税ができます。 不動産賃貸業の場合に大きいのは、減価償却費を計上できること。所有している物件の建物の価値は年々減価していくことから、毎年減価していく分を経費として計上できるのです。 この減価償却費は実際に現金が出ていくわけではないのに経費計上できるところにメリットがあります。通常の経費は、現金が外へ出ていくので、その分を経費計上するのですが、減価償却費の場合には現金が一切、減ることがありません。 そのほかにも、賃貸ビジネスが雑所得ではなく事業所得の規模になれば、さらにさまざまな経費も認められることになります。収入が増えてきたら法人化することで所得税率を下げるなどの節税も可能です。 また、賃貸ビジネス、とくに不動産投資の大家業は、昔から地主が行っていることもあって、副業禁止となっている会社であっても、とくに本業に支障が出る場合でなければ、届け出ることさえ不要という慣習になっている会社がほとんどでしょう。 そういう意味では、会社員が始めやすい副業と言えるかもしれません。 大杉 潤 経営コンサルタント/ビジネス書作家/研修講師