角田本人は自身のミディアムのペースが良いと、無線で聞いて驚いたとのこと／DAZN

だが状況は異なり、タイヤ交換組は軒並みトレイン状態となり、角田の20～30秒後ろでペースが上がらず。一方、角田は上位勢に匹敵するタイムを刻みながら、ミディアムで快調に周回を重ねていく。 「その後（自身の）ミディアムのペースが悪くないと（無線で）聞いて、逆に驚きました」 「もちろんタイヤマネージメントしながら、できるだけ良いペースを築いていこうと思っていた。その時は（チームが）セーフティーカーを狙っているのかと勘違いしていましたけど、諦めているわけじゃなく（何が起こっても良いように）最大限のペースで走った」 「ミディアムで良いペースで走れているのが分かったんで、この調子を崩さずどんどん走っていった。（ジョージ）ラッセルや（カルロス）サインツとか、後ろの速いクルマが抜いていった時に（ラップ）タイムが少し落ちましたけど」 「それでも逆にクリーンエアで走っていた時は（ピットに）入ったクルマよりも速かった時もあった。そういったムードに結構助けられました」

ハードにつないだ角田裕毅。セーフティーカーの波乱が起こらない中、戦略＆地力でP9を手繰り寄せた／Red Bull Content Pool

結局ミディアムでロングスティントを敢行し、そこからハードにつなぐ1ストップ作戦に出た。角田は「ペースが良いと聞いて」と無線でエンジニアと話した内容から、ストラテジーの変化を察していたようだ。 「毎周ペースが良く“このまま行こう”という感じを無線で話していて。薄々、途中から1ストップを狙っているのかな？というのは感じていた」 「ただ、ポイントを狙っての1ストップなのか、今ある中、最大のストラテジーで1ストップなのか、そこは分からなかった。（ピットからトラックへ）復帰した時、アストンマーティンに近かったんで”これはポイントを狙った1ストップなんだな”と分かった」 F1では、無線が他チームに聞かれるという前提で会話している。事前に複数のストラテジー予定を立て、プランA、プランB、プランCと言ったワードが会話に出るのはそのためだ。プラン変更について無線で明言はなかったものの、角田はエンジニアとのやり取りを通して、その狙いを察したとのこと。 「（無線で1ストップ狙いだと）ハッキリ言うと、他のチームに知られてしまうので。エンジニアとの会話の中である程度は気づいていて。僕が良い位置で（トラック上に）出られた時に、僕の中で確信に変わった感じ」