<上海だより>ローカル人気店、焼酎を楽しむ隠れ家焼酎バーを訪ねて
多くの人が賑わい、高級店も多く並ぶ南京西路・静安寺エリアからやや外側に位置するローカルエリアで人気の焼酎バー・モッコスがあります。新たに開発されたスポットでもなく、大通りにも面していない、小さな路地を入った暗闇の中にポツンと看板が照らされています。ここにお店があると知らない限り気づかれないにもかかわらず、連日多くのお客さんで賑わっています。
日本人客が多いかと思えば、モッコスの客層は現地の若者たち。日本酒が大人気というのは爆買い中国人ネタで日本でも知られていると思いますが、このお店は焼酎専門のバーで日本酒は扱っていません。2006年に日本人と上海人が共同でオープンした当初は、日本人や欧米の留学生たちが多かったそうですが、徐々にローカル客も増え始め、2011年頃には店に人が入りきれず店外で飲む客も出てくるほど人気になったそうです。2014年9月に2号店もオープンしましたが、今では2店舗ともに満席になる盛況ぶりです。
この人気店を切り盛りするのは、少数民族であるチベット族のラムとゾマ。ラムはミュージシャンでもあり、以前からの常連はアーティストやクリエイティブ系の人が多いそうです。店内ではレゲエが流れ、ラムがカウンター内で踊っている姿も見られ、とにかく陽気な暖かい雰囲気が魅力です。1号店のゾマも満席で忙しいにも関わらず、会話がとても上手く、店全体の空気感を常に明るく保っています。
カウンター後ろの棚には焼酎のボトルが豊富に並んでいて、まるで日本にいるかのような店内です。オーナーの呉康(ウー・カン)さんいわく、このラベルのデザインを楽しむのも中国人客にとっては大事であるそうです。また、常連の多くが注文する定番は「しろ」だそうで、価格はボトル350元(5700円程度)、グラス40元(660円程度)です。日本の感覚で考えると少々高値ですが、上海全体のバーの相場がそもそも日本より高く、この雰囲気を楽しめるのであればむしろお手頃なくらいです。