アメリカの大統領選 トランプ勝利が濃厚と予測…無投票を選択するニューヨークZ世代のリアルな声は?
◆投票の結果で人生が一変する人々がいる
バイデン氏に勝利をもたらした若者が投票しなければ、結果的にトランプ氏が勝つ可能性は高くなります。それでも、投票することが悪を生むシステムに、ケンジュは加担したくないと考えています。 大統領選の投票について「善はいったいどこにあるの?」と問いかけるメアリーに、ケンジュははたして何と答えるのでしょうか? ケンジュ:善は僕たち自身だよ。つまり、コミュニティの人々が善だと思う。僕たちは自分たちを信じて、私たち自身に投票するべきなんだよ。善を成し遂げ、変化をもたらすことができるのは僕たち自身だ。だから、単に企業に買収されているだけの、この2人の候補者を信頼する必要なんてないんだ。 メアリー:たしかにその通りだと思うよ。でも、それだけだと何もしないことになってしまう。信じるって具体的に何を意味するのか、私にはわからない。そんな人たちに投票するのはバカバカしいと思うけど、他に何ができるのかもわからないよ。このシステムのなかにいる限りはね。 みんな、私たちと同じように今年は投票したくないと思っている。もしかしたら、投票しないことにも何かメッセージがあるのかもしれない。だけど、そのメッセージは決して伝わらない。結局、またトランプが出てくる。状況は私たちにとってさらに悪くなるでしょうね。 ミクア:投票しないことが私たちを助けてくれることはない。むしろ、私たちに害を及ぼす可能性のほうが高いんだよね。 ケンジュ:それはわかっているよ。投票しないことは、実質的にトランプに投票するのと同じことになるんだ。そして、投票しないことで実際には何も変わらない。でも、僕にとって投票しないと決めた理由は「モラルの問題」なんだよ。自分の信念とか、そういうことなんだ。 ノエ:たださ、投票しないことは単に自分だけの問題じゃないんだよ。自分たちだけじゃなくて、もっと影響を受ける人たちについて考えるべきだと思うんだ。たとえば、メキシコからの移民の家族なんかは、選挙の結果次第で命の危険にさらされる可能性もある。 僕たちは、たとえばニューヨークの税金がちょっと上がるとか下がるとか、そのくらいだよね。トランプが選ばれたからといって、家族の安全が脅かされるのを恐れたりする必要はないでしょう? 善の立場に立つ私たちが新しい社会を作るべき、という気持ちはわかりますが、投票しないことは何の意味も生まれません。それどころか、トランプ氏が有利になり自分たちの害になりうるのです。 それでも、自分のモラルを守るために投票をやめる考えを示したケンジュに対し、ノエは「もっと影響を受ける人たちについて考えるべき」と忠告しました。この話し合いについて、シェリーは「親パレスチナへの抗議運動と同じように、特権がない人のことを自分ごととして考えられる、この世代ならではだと思います」と補足。 来たる11月の大統領選にて、ラボメンバーたちは投票するのでしょうか? それとも、多くが棄権して、彼らが言うようにトランプ氏が当選するのでしょうか? シェリーは「揺れ動く彼らの気持ちが、そのまま大統領選と未来のアメリカ、そして私たちみんなが住む世界の未来にも影響することだけは確かです」と話し、話題を締めくくりました。 (interfm「NY Future Lab」2024年6月19日(水)放送より)