【解説】「東京都知事選」小池氏が当選 どうなる?今後の都政
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東京都知事選挙は現職の小池百合子氏が、2位以下に大差をつけて3回目の当選を果たしました。今回の選挙の意味や今後、都政はどう変わるのか、あるいは変わらないのかを日本テレビ社会部の田頭祥デスクが解説します。 佐藤真知子アナウンサー 「まず、小池さんが3回目の当選となりましたが、今回の選挙の注目ポイントはどんな点だったんでしょうか」 日本テレビ社会部 田頭 祥デスク 「最大の争点は小池都政2期8年への評価でした。今回、小池さんは4割を超える得票率を得ていますから一定の信任を得たという形になります」 「その小池都政への批判票の受け皿になるとみられていた蓮舫さんに代わって、石丸伸二さんが2位になったのは衝撃をもって受け止められています」 佐藤アナウンサー 「石丸さんの支持が伸びた理由はなんでしょうか」 田頭デスク 「石丸さんは今回の都知事選で『東京を動かそう』をテーマに『政治再建』『都市開発』『産業創出』の3つを政策の柱にしました。また、メガバンクで海外勤務も経験した経歴もアピールして「経済人から初の東京都知事を」と訴えました。 「石丸さんは当初からYouTube配信などで政策や人柄を拡散する戦略だったんですが、私はもう1つのポイントがあると思っています。石丸さんは各陣営よりも運動量が多かった。街頭演説を1日に10回やることもありました。街頭演説では政治への思いを情熱的に語る一方で、公約はYouTubeで見てください。できるだけ多くの都民とリアルに接触しようとすることで、ネットとリアルの両輪での選挙戦が躍進をもたらしたと思います」 佐藤アナウンサー 「石丸さんはどんな層からの支持を得たのでしょうか」 田頭デスク 「出口調査をみると、10代~30代の支持は小池さんを上回っています。これまで選挙に縁がなかった人が選挙に行ったなど、ネットを駆使した戦略があったと思います」 「また無党派層にも浸透していまして、小池さんよりも石丸さんのほうが支持が多かった。ちなみに男性のほうが女性よりも支持が多い傾向があります」 佐藤アナウンサー 「そして、現職の小池都知事が当選となりましたが改めて、小池さんが掲げている公約『東京大改革3.0』の内容を見てみます。保育の無償化、第1子までの拡大、無痛分娩費用の助成、ミサイル飛来に備えたシェルター整備などを公約に掲げていますが今後、わたしたちの生活はどう変わるんでしょうか?」 田頭デスク 「基本的にはこれまでの小池都政の方向性が大きく変わることはないと思います。一方で、公約をどう具体化するのか例えば、無痛分娩費用の助成ですが、専門家にお話を伺うと、対応できる医師や医療機関はまだまだ限られていて、そうした態勢作りもしないと、費用を助成するだけではなかなか難しいのではないかという指摘もありました」 佐藤アナウンサー 「社会部デスクの田頭さんからみて、今回の選挙によって今後にどんな影響があると考えますか」 田頭デスク 「選挙運動でネットが解禁され10年あまりになりますけど、これまでネットの支持と実際の得票は結びつかないという声もありましたが、今回の石丸さんの選挙戦で、ネットやSNSの活用の重要性が浮き彫りになった選挙だったと思います。そういう意味では今後の選挙でネット戦略はより重要になっていくと思います」