ガーズィー・ビンザグル サウジアラビア大使に聞く:日本との国交樹立70年、友好関係は最も強固に
女性の地位向上を推進するために
赤阪 日本はジェンダー平等に関するさまざまな課題に直面しているが、サウジアラビアでは女性の地位向上に関する最近の政策からどんな教訓を得たのか? ビンザグル 女性の社会参加に関して、サウジアラビアでは、職場や社会において極めて重要な役割を女性が担うという成果を短期間で遂げた。ジェンダーへの取り組み方も含めて、すべてが「サウジビジョン2030」の3本の柱に基づいている。その根底にあるのは、一人一人が最大限に能力を発揮できるように、そしてすべての国民が社会参画を実現するという信念だ。 単にある国で実行しているからという理由だけで、そのルールや規制を他国に押し付けることはできない。国民の地位向上のためには、ルーツややりたいことを尊重する一方で、過ちを正す努力を重ね、社会的に弱い立場の人が前進できるチャンスを見出せるようにしなければならない。 赤阪 最後に読者へメッセージを。 ビンザグル サウジアラビアはいま、かつてないほど外国人観光客にオープンだ。ぜひ、訪れて、サウジアラビアを体験してほしい。両国の人が友情を育み、お互いを理解して楽しんでほしい。 (原文英語。インタビューは2024年7月18日、東京・虎ノ門で行った。写真撮影:ニッポンドットコム)
【Profile】
ガーズィー・ビンザグル Ghazi Faisal BINZAGR 駐日サウジアラビア大使。アラビア半島で140年にわたり、貿易商を営む商家に生まれる。ニューメキシコ州立大学博士課程修了(経営と組織開発)。2013年からサウジアラビアの立法府である諮問評議会・シュラ評議会のメンバーを3期務めた後、20年に同評議会の外交委員会メンバー、23年からは副委員長を歴任。24年から現職。