「HIRAKEGOMA」歌詞に滲むメッセージの真意とは？

　もう少し歌詞を見ていくと、〈Next Door〉〈真上には同じ扉が／見えてるはずさお前も〉というフレーズからも“次の扉を開く”ことが歌詞の軸になっていることが読み取れる。グループの公式YouTubeで公開されたビジュアライザーにも、次から次へと新しい扉を開いていくような描写が含まれていた。「INZM」にも〈もっと上×4〉という歌詞があるが、そうやってまだ見たことのない景色を求めて進み続けることそのものが、常に高みを目指し、楽曲リリースやパフォーマンスのたびに驚かせてくれる平野、神宮寺、岸の姿と重なる。「HIRAKEGOMA」もまた、彼ら自身のことを歌った楽曲なのだと思う。 　Number_iが今年1月1日にデビューしてから、もうすぐ一年が経つ。このタイミングでの新曲リリースは、この一年のあいだに応援してくれたファンへのプレゼントのような意味合いもあるだろう。一方で、「HIRAKEGOMA」は、グループがまたひとつ新たなステージへと突入していくことを示しているようにも思う。「HIRAKEGOMA」が加わったことで、活動一年の集大成とも言える作品だった『No.Ⅰ』が、2年目へと繋がる作品に進化したように感じられるのだ。 　次の扉が開かれた時、どんな宝物が手に入るだろうか。3人がこの先どんな景色を見せてくれるのか楽しみだし、そんな彼らに勇気をもらいながら、日々歩み続けていくことは私たちも同じだ。 　12月は今年一年を振り返ると同時に、来年はこんなことをしたいと思いを巡らせる人も多いはず。現状に満足できない時、自分をステップアップさせたいと願う時、そっと唱える〈HIRAKEGOMA〉――。新しい扉を開くための秘密の呪文を、私たちは彼らから教えてもらったのかもしれない。