大谷翔平がニヤリ…通訳を待たずに答えた“ある質問”「そうなれたら、もちろん…」投球再開は未定、米国でも注目が集まる“開幕二刀流の現実味”
開幕二刀流への高いハードルの現実
周知の通り、その原因はワールドシリーズ第2戦で盗塁を試みた際に左肩を脱臼したことにある。11月5日には、過去2度のトミー・ジョン手術を受けたニール・エラトラシュ医師による左肩脱臼に起因する関節唇断裂修復の内視鏡手術を受けた。脱臼がなければ、11月には実戦形式で打者に対して投げる「ライブBP」を重ねる予定だった。だが、そのリハビリスケジュールはかなり遅れている。 「ロサンゼルスのパレードが終わった後に比較的すぐ手術だったので、本当に時間がなかったというか、その日からきょうここまであまり何もできずにというか、ベッドでじっとしてました。今は主に可動域を広げていく作業をしていて、抜糸も終わって傷口は閉じているので、きょうから、本当についさっきから体幹トレーニングと下半身のトレーニングがようやくスタートしたという感じです」 脱臼前には遠投もこなし、ブルペンでは最速93マイル(約150キロ)まで球速も戻っていた。だが、すでにノースローは1カ月以上も続いている。投球再開はいつになるのかさえも見えてこない。 過去、2度のトミー・ジョン手術を受け復帰を果たした投手は、同僚だったウォーカー・ビューラー(現在FA)を含めいるが、同手術と肩の脱臼による関節唇のリハビリを同時に進めた投手は聞いたことがない。加えて、打者としても厳しい前例がある。 パドレスのフェルナンド・タティスは22年9月に脱臼に伴う肩の修復手術を受け、復帰は23年4月20日で開幕には間に合わなかった。大谷の手術は11月。ネガティブな情報ばかりになるが、開幕二刀流復帰へのハードルはかなり高いのは事実だ。
ロバーツ監督「今は誰もが答えを持っていない」
24日、スポーツネットLAの番組に出演したデーブ・ロバーツ監督もこんな言葉を残した。 「トミー・ジョン手術を受けた肘を来年のスプリング・トレーニングでどのように強化していくのか。そのことに対して、今は我々の誰もが答えを持っていないと思う」 だが、固定観念を覆し、前例のないパフォーマンスで歴史を塗り替えてきたのが、大谷翔平だ。将来を見据えれば、決して無理はしてほしくないが、驚異的な回復を見せ、周囲を驚かせる可能性はある。 「スタートから投げる、または打つというのは目標に動いてますし、(中略)今はできることとしては、開幕をもちろん目指してはいます」 今は、大谷のこの言葉を信じ、彼のオフの取り組みにエールを送りたい。そして、サイ・ヤング賞とMVPの同時受賞をいつの日か、現実のものとしてもらいたい。
(「メジャーリーグPRESS」笹田幸嗣 = 文)