この秋の覚醒の予感…全早稲田戦で豪快な2ランを放った早大・前田健伸
社会人を相手に大アピール
【全早稲田戦】 8月10日 ベーマガSTADIUM 早大9-3稲門倶楽部 早稲田大学野球部と早稲田大学野球部OB会(稲門倶楽部)による「全早稲田戦」が8月10日、大原運動公園ベーマガSTADIUM(新潟県南魚沼市)で行われた。 【選手データ】佐竹功年 プロフィール・寸評 初開催された前年に続き2度目。昨年は早大OBの社会人選手でチーム編成された稲門倶楽部が21対2で勝利したが、今年は9対3で現役大学生チームが快勝している。初回から4回までに2点ずつを重ね、主導権を握った。3回表に2ランを放ったのは左の強打者・前田健伸(3年・大阪桐蔭高)だった。 昨年まで汗を流したJFE東日本の新人右腕・加藤孝太郎の初球、145キロの内角ストレートに対して、うまく腕をたたんで、右翼ポール付近へ運んだ。絶妙なバットコントロール、技ありの一打である。 「インコースだったので、切れなかったのだと思います。真ん中寄りのコースならば、ファウルだったと思います」
7季ぶり47度目のリーグ優勝を遂げた今春から一塁のレギュラーをつかみ、法大1回戦では逆転打を放ち、存在感を示した。今秋もクリーンアップとして期待されているが、社会人選手を相手に大きなアピールとなった。 この日は勉強の場でもあった。第1打席では社会人で19年の現役生活にピリオドを打ったトヨタ自動車・佐竹功年と対戦。40歳のレジェンド右腕に挑んだが、左飛に倒れた。 「低めのストレートが伸びてくるんです。ボールもすべて低めに集まってくる。長年、社会人で活躍してきた理由が分かりました」 リーグ戦ではまだ、本塁打を放っておらず「これからどんどん、積み上げていきたい」と春秋連覇を固く誓う。個人の結果よりも「チームが勝てばいいんです」と、身を粉にしてプレーすることを宣言。左打席からの豪快な放物線に、この秋の覚醒の予感がする。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール