久保建英 ビッグクラブ移籍実現へ…武田修宏氏は守備力UPより「メッシ型」攻撃特化のススメ
スペイン1部レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(23)に〝超一流〟への道が示された。所属クラブで主力として活躍し、来夏にはイングランド・プレミアリーグのリバプールなどビッグクラブ行きも浮上。そんな至宝だからこそ、さらに高いハードルが求められる。元日本代表FW武田修宏氏(57=本紙評論家)は守備を課題に挙げつつ、その改善よりも圧倒的な決定力を身につけるよう求めた。 レアル・マドリード時代の久保は期限付き移籍を繰り返し苦労したが、2022年夏のRソシエダード入りが転機となった。1年目から定位置を確保すると、3シーズン目となった今季も主力として君臨。日本代表での序列も確実に上げている。 それに伴い、Rソシエダード加入後は、欧州ビッグクラブ入りの報道が目立つようになった。イングランド勢は、リバプール、ニューカッスル、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティーの名前が挙がり、ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンやフランス1部パリ・サンジェルマンなども関心を寄せる。 日本人選手で最も注目を集める一人となった久保について、武田氏は「彼はボールを持った時、攻撃になった時に自分の形を持っている。ゴールへと仕掛けていける長所があるので、変わらずそれを発揮してほしい。以前より、ゴールに迫るようになってきたと思うし、点を取んなきゃという意識はどんどん高くなっている」と進化を感じている。 その一方で、高いパフォーマンスを続けるという意味では課題も残す。スコアレスドローに終わった15日のホームでのラスパルマス戦に先発したが、目立った活躍をできず途中交代。スペイン紙「ムンド・デポルティボ」は「行方不明」と表現し、文字通りピッチ上で〝消えて〟しまった。昨季後半も調子が上がらず、ベンチスタートも少なくなかった。 ある程度調子の波があるのは仕方ないとはいえ、Rソシエダードのイマノル・アルグアシル監督や日本代表の森保一監督から絶対的な信頼を得るには至っていない。そのため武田氏は「今のサッカーは11対11のマンツーマンのように、攻守において90分ハードワークする流れの中、久保は(攻撃で)ボールを持った時に素晴らしいし結果も出すけど、守備の面で劣る気がする」とズバリ指摘する。 ただ、武田氏はあえて守備の改善を求めない。「そこは久保のスタイルだから、良い悪いではない。その中で出るためには結果、得点を積み重ねて認めさせるしかないと思う。そうすれば使わなきゃいけなくなるから」。多少の課題は誰も気にしないような、圧倒的な得点力を見せることが重要というわけ。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)も、まさにそういったスタイルだ。 決定力が上がれば、自ずとステップアップの道は開けてくる。
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