駒込が4-0で都立北園を下し、2次予選進出 今もチームに息づく2017年の教訓
第103回全国高校サッカー選手権東京予選の1次予選ブロック決勝が9月16日に都内の2会場で行われた。駒沢補助競技場での第3試合は駒込と都立北園が対戦し、4-0で駒込が北園に勝って、2次予選に進んだ。 【フォトギャラリー】駒込 vs 都立北園 前半9分、駒込MF8田村陽太(3年)が相手の虚を突くミドルシュートを叩きこむと22分、CKからDF4奥津大和(2年)が頭で合わせ、2点目。その後もパスワークで押す駒込に対し、都立北園は時間とともに攻撃に順応していく。 それでも駒込優勢は変わらず、後半12分、右サイドのクロスを合わせたMF7橋本鷹遠(3年)が追加点をあげた。 3点差とされた北園は一矢報いるべくカウンター主体で押しこむ時間帯はあったがゴールには届かず。駒込は後半アディショナル、相手守備陣の連係ミスを突いた 途中出場でスピードのあるFW18水谷嘉孝(3年)が決め、試合終了となった。 「細かいミスはありましたが、前半は意図的なサッカーができたと思います」と駒込・宮坂拓弥監督。印象的だったのはその前半のプレー。 繰り出されるパスの先には必ず味方がおり、特にロングパス、サイドチェンジは味方の足元に吸い付くような正確さ。そのボールには味方の意思と意図が託されている。さらに簡単にボールは取られることなく、たとえ取られても即時奪還、即時攻撃が機能的だった。 「距離感が良い時はボールを意図的に回すことができ、攻撃は単発でなく、二度三度とでき、連動性を持った攻撃ができます」と宮坂監督。 そのプレーを可能とする正しいポジショニングと距離感、ボールコントロールは徹底されており、手製のボードには 『パスの距離感 離れすぎない 攻め急がない』の指示の文字が。また校庭の狭さを逆に利用し、これらのトレーニングが繰り返し行われている。 「意図的なサッカーできた」と手ごたえを語った宮坂監督だが「2-0で折り返したことで後半、試合が難しくなりました。前半を3-0で折り返せればよかったですが、取りきれなかった」と反省を口にした。 この反省にはある背景がある。 駒込は直近10年で2次予選進出は今回を含め9回目となった。この間、唯一、逃したのが2017年。実はこの年の選手たちを「一番うまかったチーム」と評したが、1次予選2回戦で豊島学園を圧倒的に攻めながら最後はPKで敗れてしまった。(2017年8月18日・1-1(PK:4-5))当時を「テクニシャンが揃っていましたが、逞しさ、戦う強さが足りなかった」と振り返る。 うまさだけではなく、戦う強さも。2017年の悔しさは教訓として、いまもチームで息づいている。 (文・写真=佐藤亮太)