“ポスト真央”が続々の熱い女子フィギュア中学生世代
日本の女子シングルは今季、浅田真央が休養中で鈴木明子らが引退。GPファイナルには補欠からの繰り上げで本郷理華が出るにとどまり、その本郷も6位と厳しい結果に終わった。3月に中国で開催される世界選手権には宮原知子、本郷、村上佳菜子の3人が出るが、2016年の出場枠3を確保するのは決して容易ではない。こういった状況において、中学生年代の熱い戦いは大いに歓迎すべきこと。しかも、ダイヤモンドの原石というレベルを超えた選手が目白押しであるのは頼もしい限りだ。 今回の全中には昨年11月の全日本ジュニアで4位と大躍進した中1の本田真凜(まりん、大阪・関大中)も出場していたが、SPの冒頭のコンビネーションジャンプの失敗が響いてSP20位となり、上位18人で争うフリーに進むことができなかった。本田ほどの能力の持ち主でも、ミスが重なればフリーに進めないという事実は、女子のこの年代の選手層がいかに厚いかを示している。 日本スケート連盟の小林芳子強化部長は昨年末の全日本選手権を終えたとき、女子の苦戦に伴う向こう数年間の展望について聞かれ、「来年はジュニアとノービスの勢いのある子が上がってくる。目標は2018年の平昌五輪でトップになること。選手をしっかりとそこに送り込めるように、連盟・強化部とコーチが連係をとって良い形で選手をサポートしたい」と話していた。 今回の全中はいわばそのコメント通りの流れ。若い彼女らが燃やす炎は、日本女子フィギュア界の未来を明るく照らしていく。 (文責・矢内由美子/スポーツライター)