ロシア、ドンバスの名分か…「米国のグリーンランド買収、住民の意見尊重すべき」
トランプ次期米大統領がグリーンランド買収の意思を表す状況をロシアがウクライナ「特別軍事作戦」正当化論理に結びつけている。 ロシア大統領府のペスコフ報道官は9日(現地時間)の記者会見で、トランプ氏がデンマーク領グリーンランドの買収意思を表明したことに関し「状況のやや劇的な展開を綿密に見守っている」と述べたと、タス通信が報じた。 グリーンランド買収の意向を明らかにしてきたトランプ氏は7日、グリーンランド統制権確保のための軍事的措置は排除するのかという質問に「確言できない」とし、武力占領の可能性も示唆した。 ペスコフ報道官はトランプ氏の主張が米国とデンマーク、または他国との2国間関係の問題に関するものだとしながらも「まだ単なる声明レベルにとどまっている」と評価した。 ペスコフ報道官はグリーンランド住民の世論を考慮するべきという主張が出てくる可能性があるとし、「この場合、西側はロシアと再結合することを決定したロシア連邦の新しい4つの地域の住民の意見も尊重するべき」と明らかにした。 2022年2月にロシアがウクライナで特別軍事作戦を開始した後に占領したウクライナ東部と南部のドンバス(ドネツクとルハンシク)、ザポロジエ、ヘルソンの住民が住民投票でロシア合併に賛成したことを記憶するべきと強調したのだ。 これに関連し、ロシアのバルビン駐デンマーク大使は大使館のテレグラムで「グリーンランドの住民はデンマークの法律の枠内で外部の干渉なく島の運命を自ら決めなければいけない」と述べた。 北極地域はロシアにも地政学的に重要なところだ。米国がグリーンランドを統制すればロシアに最も早く到達するミサイル配備場所を確保する。 ペスコフ報道官は「知られているように北極地域は我々の国益、戦略的利益が関連するところ」とし「我々は北極地域にあり、今後もそこにあり続ける」と強調した。また「我々は北極地域の平和と安定のために世界のすべての国と協力する準備ができている」と話した。 ペスコフ報道官は、トランプ氏が20日に就任した後にもロシアと高官級接触を再開するという政治的意志を維持する場合、プーチン大統領はこれを歓迎するだろうと伝えた。続いて、まだトランプ氏からの接触要請はないとし、「彼が就任するまで待つのが適切だ」と明らかにした。 一方、プーチン大統領の側近のメドベージェフ国家安全保障会議副議長はこの日、自身のテレグラムで、グリーンランドとカナダを米国の一部にするというトランプ氏の計画について「単に世界を再編することにしただけだ」とし「非現実的だ」と批判した。