快速右腕・高橋と三拍子そろった中山 中京大中京 交流試合の注目選手!
8月10日から始まる2020年甲子園高校野球交流試合。球児あこがれの舞台での試合が間近に迫った32チームから注目の選手を紹介する。 【中京大中京・高橋】智弁打線の前に立ちはだかる注目の150キロ右腕 ◇最速150キロ超右腕 高橋宏斗投手(3年) 第3日第1試合で智弁学園(奈良)と対戦する中京大中京(愛知)。投手陣を支えるのが快速右腕の高橋宏斗投手(3年)だ。 7月5日に行われたセンバツ交流試合出場校の智弁和歌山との練習試合。1失点完投勝利も「9イニングを投げきる体力がまだない」と、試合終了後に球場内を黙々と走る姿があった。高橋源一郎監督は「ああいうところが収穫」と、最速150キロ超右腕の姿勢に感心した。 昨秋の公式戦は先発した8試合全てで完投し、6完封。直球は6月の練習試合で自己最速を更新する153キロをマークした。カウントを稼ぐスライダー、併殺狙いのカットボール、さらにはバットの芯を外すツーシームを操り変化球も一級品。新たに緩急をつけるためカーブも覚えた。 コロナ禍で全体練習が自粛期間中は、毎日10キロの走り込みと坂道ダッシュをノルマに掲げた。左足を上げる時に三塁側に顔を向けるソフトバンク・千賀滉大流のフォームを見返し、投球のリズムもオリックス・山岡泰輔を参考にイメージした。「ずっと捕手を見つめることでコントロールのブレもなくなった」と手応えを感じる。 将来のプロ入り目標は変わらないが、「力がどれだけ全国で通用するのか、センバツが中止になって、自分がどの位置にいるのか不安だった」と大学進学を第一に考える。交流試合では球速155キロを目指し、1年の冬からグラブに記す「世代NO1」に値する投球を披露する。 ◇走攻守そろった強打者 中山礼都遊撃手(3年) 中京大中京打線の中軸を担うのが中山礼都遊撃手(3年)。3番として勝負強い打撃が魅力の左打者だ。 7月5日にあった同じ交流試合出場校・智弁和歌山との練習試合では、ダブルヘッダーの1試合目で先制の適時打。代打で出場した2試合目も九回に勝ち越しの適時打を放った。遊撃手として遠投115メートルの強肩に加え、50メートル走も5秒9。走攻守三拍子がそろっている。 19年秋の公式戦はチームトップの33打点。東海大会準決勝の藤枝明誠(静岡)戦では6打点をマークしたが「上半身だけで打っていて納得していない」。ノーステップだった打撃フォームに改良を加え、右足を上げるフォームに変更。ボールを呼び込んで打つことにつながり、左翼方向にも本塁打を打てるようになった。 全体練習の自粛期間中でも午前8時から自主練習に取り組み、1日約4時間バットを振り込んで、ウエートトレーニングや走り込みで下半身強化も図った。卒業後の進路希望は「プロ一本」と力強く宣言する。 米大リーグ・マリナーズでプレーしたイチローさんら右翼手に一流選手が多かったことから「礼都(らいと)」と名付けられた。祖父義治さん、父慎也さんともOBだが甲子園出場はない。「雰囲気にのまれず伸び伸びとプレーしたい」。中山家にとって悲願だった大舞台での活躍を待ちわびている。【藤田健志】