【K1】7・7に松倉信太郎参戦「小さい頃興奮したボブ・サップ、ミノワマンのような試合を」
立ち技打撃格闘技のK-1は21日、都内で記者会見を行い、「K-1ワールドMAX」(7月7日、代々木第2体育館)にK-1ワールドGPミドル級(-75キロ)王者・松倉信太郎(32=team VASILEUS)が参戦し、80キロ契約の「スーパーファイト3分3R延長1R」でアレクサンドル・アマリティ(21=ルーマニア/COLOSSEUMウエルター級=-77キロ王者)と闘うと発表した。 会見に出席した松倉は「(相手は)僕より大きい選手。映像も見させてもらったんですけど、本当にすごいアグレッシブな選手でパンチをブンブン振り回す感じのやつで。本当はこの期間に調整するにはリスクが高いかなと思ったんですけど、宮田(充)さん(Krushプロデューサー)とも話していて、普通なことがしたくなくて。7月大会、本戦では一番重い階級になると思うので、重い階級の良さを全面に出していきたいと思います」と話した。 松倉は相手について「(相手は)典型的なヨーロッパの選手。ガードを固めて、思い切り振り回して、パンチとローがあってっていうタイプなんですけど、たぶん見た目以上に体が強くて、でかい選手だなと。そういう選手だと、技術とかを超えて人を倒す能力もあるし。だから怖い選手だなっていうのは率直な印象ですね」と説明。 今回は普段より5キロも重い-80キロ契約での試合となるが「これは価値観の問題なんですけど、僕は今、K-1グループで日本人としてはたぶん1番重いチャンピオンで。やっぱり人気の選手が軽量級に多いというのはあると思うんですけど、僕は格闘技は重い階級が華があると思うし、重い階級の方が評価があっていいと思っていて。その中で僕の階級に重きを置かれてないというか、評価されてないのかなって感じてる部分はあるんで。そういう部分で格闘技の醍醐味(だいごみ)とか、重い階級だとこういう試合が出せるよっていう。僕の評価を考え直してもらえるような試合をしたいなと思ってますね」と力を込めた。 松倉は小さい頃に見たボブ・サップに興奮した思い出を振り返りながら「軽量級も面白いし、技術もすごいなと思うんですけど、僕はちっちゃい時、ボブサップとか、もう『暴力』っていうのをリングで見て興奮したっていうのは正直あるし。昔の選手って(山本)キッドさんが服着たまま計量してたりとか。今とは時代が違いますけど、そういう思い切った感覚が多かったなって。5キロ(の違い)もすごい大きくて、正直、ガードの上から効いてしまうのかな? しまわないのかな? っていう不安だったりはあるんですけど。5キロ台でウダウダ言うようなやり方じゃない方で僕は行きたいと思ってるんで。本戦で一番重い体重だからこそ、他じゃ出せない魅力ってあると思う。マジでガードの上から俺、倒れるかもしれないし、普通に俺が倒すかもしれないし。予測できない面が多いんで、そういうところも含めて楽しんでもらえたら」と話した。 松倉は王者になったからこそ、他の選手とは違う挑戦をしたいと考えており、さまざまな試合形式も念頭に置いている。「見たくなる勝負ってあると思うんです。見られないと意味ないと思うし。僕自身、ミノワマンが(階級上の強豪)ソクジュに勝ったりとか、そういうのを見て『すげえ!』みたいな。世界最強を決める闘いもすごいけど、そういう闘いに感動していた部分があって。自分がチャンピオンだからこそいろいろ挑戦したいと思った」と話し、「極論どんなルールでも、どんな体重でもやりたい。枠にとらわれたくないというか。K-1も究極、そこがスタートだったと思うんで。スポーツだけど究極、暴力という、そういう刺激的なこともやりたい。(総合とキックを1Rずつ行う)ミックスルール? 僕は全然(オーケーです)。ベルトを持ってる俺だからやる意味があると思うし。命かけてやってるんで、命張るんだったら、リスクあるけど大きく返ってくるような勝負がしたい」と強調した。 1月には武尊、この6月には野杁正明と、同じチームの選手たちがONEの大舞台で闘うのを見てきた。「1番びっくりしたのは、武尊とタイに何回か一緒に行ってるんですけど、この前、野杁くんのセコンドで行った時に、タイでも気づかれるようになってて。それはもう率直にびっくりしたし、すごいなって思ったし。やっぱり挑戦してる2人はすごく格好良いし、言葉に重みがあるなと思っていて」。 その上で松倉は、K-1を離れた2人について「別にどっちが良い、悪いっていうのはなくて。K-1を抜けた選手っていうのは、自分でどうにかしようっていう考えがあるから、人を引きつけられるものがあると思うし。そういう勝負する姿勢とか、やっぱり人を動かすんだなと思うんで。僕も背中を押されるじゃないですけど、team VASILEUSでK-1のベルトが普通みたいになっちゃってるんで。誇りはもちろんあるんですけど、満足も全然できない」と話して、チームメートとともに意識を高く持って闘っていくことを誓っていた。