お寺の「マルシェ」来て コーヒー試飲や体験で一息 目指すは「寺離れ」打開/兵庫・丹波市
桂谷寺(兵庫県丹波市春日町野上野)で23日午前10時―午後2時、コーヒーの試飲や心が落ち着く体験などが楽しめる初のイベント「お寺deマルシェ」が開かれる。少子高齢化などで「寺離れ」が進む中、多世代の人に足を運んでもらうきっかけになればと、同寺と同町内に住む女性が共同で企画した。荒樋昇誠住職(57)は「お寺で心を整えてもらい、昔は『カルチャーセンター』と言われていたような交流の場になれば」と期待する。 コーヒーは、豆の焙煎士がひきたてを提供。心身の調子が改善される「耳つぼ」「耳読み」の施術や、茶かコーヒー、甘酒を飲みながらモミジが色づく境内を眺める瞑想、写経の体験もできる。村上農園(同町)の芋けんぴといった加工品、御朱印なども販売する。粗品がもらえるスタンプラリーも企画した。市内の紅葉の名所を巡るイベント「丹波もみじめぐり」に合わせ、地元住民の趣味を生かした作品も並べている。 同寺は、コロナ禍で人同士のつながりが希薄になる中、四季折々の花が咲く寺に親しみを感じて人が集うことができないかと考えていた。そこでECサイトの運営・集客などを手がける久下不二子さん(56)=同町=と共に、多くの来場者が見込めて、人の輪が広がりやすいマルシェイベントを企画。久下さんが知人に声をかけ、出店を募った。 荒樋住職の妻、恭子さん(57)は「日常生活から離れて、静かなお寺ならではの雰囲気を感じてほしい」と笑顔。以前から同寺によく訪れていた久下さんは「従来の発想にとらわれないお寺の使い方を檀家の方々にも実感してもらいたい」とほほ笑む。荒樋住職は「もし反響があれば、今後もお寺でいろんなことをやっていけたら」と話す。 参拝料300円。近くの和洋菓子店「やながわ」の駐車場に車を止められる。