久子さま、古希のお誕生日 「醸し出すパワーというのか…」世界的バレエダンサーが明かす“交流秘話”
◆世界初演「マクベス」の制作秘話
久子さまがご覧になったのは、シェークスピアを原作にした新作バレエ。「マクベス」と「夏の夜の夢」の2作品が同時に上演されました。「マクベス」は、イギリス人振付師のウィル・タケットによるもので、世界で初めて上演されました。
吉田都さん 「制作のきっかけは、妃殿下が音楽を紹介してくださったことです。“バレエ音楽『マクベス』があるんですけれども、世界のどこでもまだ上演されていない音楽に、都さんはご興味ありますか”とご連絡いただきました。CDを送ってくださって、そこから制作が始まりました。今回『マクベス』を制作するにあたって、妃殿下が、“宮さまが多分とても喜んでくださってると思います”とおっしゃってくださいました」 「新国立劇場ができたときに、高円宮殿下がおっしゃっていたことは、“劇場の専属のバレエ団としてやるべきことっていうのを、しっかりとやっていかなくてはならない”ということでした。それはどういうことかというと、このバレエ団しかできないこと、例えば規模の大きいものや、斬新なもの、海外の最新のものなど、“バレエ団のレパートリーとして、きちんと残っていくようなものを作っていくべきだ”ということをおっしゃっていました。ですから今回、世界初演の『マクベス』という作品を制作できたことは、もちろん妃殿下もですけれども、殿下に喜んでいただけたのではないかなと思っております」
◆今月新作の「エデュケーショナル・プログラム」も
新作バレエの制作に続き、今月、新国立劇場バレエ団では初めて「こどものためのバレエ劇場2023 エデュケーショナル・プログラム 白鳥の湖」を上演します。これは吉田さんがかつて所属していた、イギリスのバーミンガム・ロイヤル・バレエ団で上演されている公演がもととなっています。
言葉を使わないバレエでのセリフの動きや、オーケストラについての解説付きで、初めてバレエを見る人や子供にも分かりやすい内容になっていて、鑑賞のハードルが高いと感じている人にもバレエを身近に楽しんでもらいたいと企画されました。今後も、国内唯一の国立のバレエ団として、こうした挑戦を続けるといいます。
吉田都さん 「公演の内容は、(ロイヤル・バレエ団と)引けを取らないと自負しております。しかし、ダンサーを取り巻く環境は、現状を知れば知るほど遠いということを実感しております。でもおかげさまで、一歩ずつですけれども、前進している実感もあります。実際に本当に色々なことが変わってきているので、めげずに前に進むのみといいますか、目標はクリアですので、そこを目指して頑張っていきたいと思っております」