上高地アルペンホテルと上高地食堂の利用客が過去最高ペース…営業費が予算超え、松本市「うれしい誤算」
長野県の上高地アルペンホテルと上高地食堂の利用客が今年度、過去最高だった2023年度を上回るペースで増えていることが分かった。中でも土産品の売り上げが好調で仕入れや調達も活発化し、こうした営業費の支払額が予算を超える見込みになっているという。両施設を運営する松本市は、会計上の特別規定を適用して乗り切る予定で、「うれしい誤算だ」としている。 【写真】多くの観光客でにぎわう上高地。さらなる保存・活用に向け、松本市が管理団体に指定された
両施設は、市上高地観光施設事業会計で年度当初、営業収益と費用が予算計上される。今年度は、利用客が過去最高だった23年度よりも増額し、収益は約5億円、費用は約4億2900万円とした。
市アルプスリゾート整備本部によると、今年度も観光客の入り込みは好調で、今後の予約状況を踏まえると23年度を上回ることは確実な情勢。アルペンホテルは423人増の1万394人に、上高地食堂は1万7271人増の13万4392人に達する見込みで、営業収益も当初予算額より約6300万円増える見通しだという。
利用客の増加で特に潤っているのが両施設内の売店だ。販売増に伴って仕入れ費用も増え、近く予算を超える見通しとなった。地方公営企業法には、業務量の増加で必要経費に不足が生じた場合、議決を経ず収入増額分を支払いに充てられる、という「弾力条項」の特別規定がある。市が適用するのは同規定で、市会計では初の適用事例となる。
同本部は「上高地の観光需要が我々の想定を大きく超えたということだ」と話している。