愛媛、高知で震度6弱 四国での震度6弱観測、1996年10月以降初 高橋学氏「南海トラフ発生前の地震に注意必要」
17日午後11時14分ごろ、愛媛県と高知県で最大震度6弱を観測する地震が発生した。今年に入って震度6弱以上を観測した地震は、1月の能登半島地震に続き2カ所目。列島に警戒感が高まっている。 気象庁によると、震源は豊後水道で、地震の規模はマグニチュード(M)6・6、深さ39キロだった。四国で震度6弱を観測したのは、現在の震度階級になった1996年10月以降初となる。 各地の消防などによると、愛媛県では愛南町で転倒の1人が足を痛め、東温市では60代女性が自宅で転倒し左手の小指を負傷。松山市でも転倒した3人が搬送された。高知県宿毛市内で水道管破裂や漏水が発生、住居損壊や電線が切れるなどの被害も出た。 今回の地震はフィリピン海プレート内部で発生しており、プレート境界で発生する南海トラフ巨大地震とメカニズムが異なる。震源も巨大地震が発生するプレート境界より約10キロ深かった。 ただ、南海トラフ地震の先祖とされる昭和東南海地震(44年)、昭和南海地震(46年)の直前の43年に内陸直下型の鳥取地震が起きた。災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「歴史的にみると、南海トラフ地震の前に西日本で比較的大きなプレート内部の地震が起きていることに注意すべきだ」と指摘する。 今年に入り、6弱以上を観測する地震は能登半島に続き2カ所目。茨城県南部、大隅半島東方沖などで5弱の地震も複数起きた。 高橋氏は「近年、震度が大きい地震が増えている。地盤の弱い地域に住宅地が開発され、地震の観測点が置かれていることも背景にあるかもしれない」と述べ、警戒を呼び掛けた。