映画「オールド・フォックス」、米アカデミー賞台湾代表に 80年代末描く
(台北中央社)文化部(文化省)は14日、第97回米アカデミー賞国際長編映画賞(旧外国語映画賞)部門の台湾代表にシャオ・ヤーチュエン(蕭雅全)監督の「オールド・フォックス 11歳の選択」を選出したと発表した。1980年代末の台湾社会の変遷を取り上げ、生活の細部から人間性までを深く描いていることが推薦理由だとした。 同作はシャオ監督が少年時代に感じた戸惑いが題材とされた。舞台はバブルに沸いて株価指数が史上最高値を記録し、貧富の差が徐々に広がっていった1989年の台湾。自分たちの家と店を手に入れることを夢見ながら父と2人でつましく暮らす10歳の男の子、リャオジエがある日、「老獪(ろうかい)なキツネ」(オールド・フォックス)と呼ばれる地主に出会い、その後葛藤していく様子を描く。 日本の俳優、門脇麦が出演した他、映画プロデューサーの小坂史子さんがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた。 同部は代表を決める審査には14作品の応募があったと説明。台湾の映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)で4冠、台北映画賞(台北電影獎)で5冠を獲得した「オールド・フォックス~」が世界各国の作品の中から選ばれ、台湾の光になればと期待を寄せた。 今後、世界各国の代表作品からノミネート作品が絞られる。第97回アカデミー賞授賞式は来年3月2日(現地時間)に開かれる。 (王心妤/編集:田中宏樹)