いまが移住のチャンス!? ── 「田舎暮らし」相談会が盛況/大阪
「田舎暮らし」に関する情報を発信する大阪ふるさと暮らし情報センター(大阪市中央区)が、毎週1回のペースで、地域別の移住相談会を開いている。各地の行政担当者が地域の魅力や移住者の受け入れ態勢を説明するほか、移住体験者が移住のプロセスや移住後の暮らしぶりなどを率直に語る体験報告が人気になっている。このほど行われたセミナーを取材した。
富山では定住コンシェルジュが道案内してアテンド
この日の対象地域は富山県。3月に迫った北陸新幹線開通をアピールするのぼりが、富山の旬の華やぎを醸し出す。富山県に加え、県西部の砺波市、県東部の立山町が参加し、関西からの移住を呼びかけ、希望者を対象に個別相談にも応じた。 県地域振興課職員のほか、県外から富山での就転職をめざす求職者を支援する就職相談員、移住サポートを行う「富山県定住コンシェルジュ」が、それぞれのテーマで説明。砺波市、立山町の職員も地元から駆け付け、ご当地の魅力などを紹介した。 県地域振興課職員は、各種調査で富山が全国上位を占める暮らしやすさをクローズアップ。持ち家比率や可処分所得の高さ、地震や凶悪犯罪が少ない安心安全の生活環境、空き家バンク開設による移住支援態勢の充実ぶりなどを強調した。 就職相談員からは、県内で大型商業施設の開業が相次ぎ予定されるなど、販売サービス業の求人が増えており、「いまが富山移住のチャンス」との最新情報が提供された。 県定住コンシェルジュは、富山で定住交流促進サイトを運営しながら、県外からの移住相談と向き合う。移住希望者が関西で仕事に就いている場合、富山での活動は時間的に限定されがちだが、定住コンシェルジュは「移住希望者に代わって、住まいの下見や学校見学などのアポを取り、道案内をしてアテンドすることもあります」というから、頼もしい限りだ。
高槻市から立山町への移住体験を報告
移住体験談を披露したのは、2年あまり前、高槻市から立山町に移住した川端里枝さん。会社員の夫、中学生の長男、小学生の長女と4人暮らしだ。高槻市の暮らしの整理と立山町への移住準備が重なり、やや情緒不安定になった時期があったという。夫の富山での就職が決まった時、「うれしくて、車の中で一緒に泣いた」と振り返る。 移住後、地元にとけこむため、あいさつに努め、地域行事にも積極的に参加。「ああ『大阪の人ね』と、すぐに覚えてもらえ、大阪に感謝している」と笑顔が浮かぶ。「富山は夫婦共稼ぎが多い。私も誘われるままにおばさんたちの食品加工グループに入れてもらって働いています」と、日々の暮らしの手応えは確かだ。 「冬はしっかり寒い」「車社会なので車がないと暮らしにくい」「収入がやや下がる」などのデメリットを提示。そのうえで「不便を不便と思わないようにしている。食べものや風景から四季の豊かさが伝わり、晴れた日の立山連峰は拝みたいほど感動的。家族全員移住して良かったと満足している」と報告した。